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一度は試してみたい100%カナダ産のワイン

 アメリカのワイナリーと言えば、誰しもカリフォルニアのナパバレーを思い浮かべるだろう。以前「ナパバレー1日観光」に参加したとき、「観光」は二の次でワインの仕入れのために日本からやってきた男性もいた。試飲ひと口25ドルという超高級ワインを1ダースも買い付け、ガイドさんが運搬まで手伝っていたのにはびっくり。「レストランでも経営しているんですか?」との問いに「いえ、単なる趣味です」と、さりげない回答。日本にもかなりのワイン通がいるものだと感心した。
 そこで今回は、珍しいカナダのワイナリーを紹介しよう。ニューヨーク近郊のロングアイランドと呼ばれる地域には、いくつかのワイナリーがあり、カリフォルニアのナパバレーほどでないにしてもここ東海岸では知名度もある。日系旅行会社も「バスで行くロングアイランド試飲ツアー」をいくつか催行している。しかしすぐ上の隣国、カナダのワインというと日本国内でも入手しにくく、規模も小さいためあまり知られていない。
 昨年オンタリオ州観光局が、エアカナダとの協賛により、旅行会社向けの観光推進イベントを開いたことがあった。ディナー会場のテーブルにセッティングされた数種類のワインが、オンタリオ州のワイナリー「VIENI(ヴィエニ)」のもの。
 「VIENI」はイタリア語で、「来る」、「ウエルカム」などの意味がある。イベントに参加した経営者の話だと、寒さが厳しいこの地域で自身の国、イタリアの製法を組み合わせたオリジナルワインをつくってみようと始めたのが、この「VIENI」ワイナリー。オンタリオ湖南西に位置する断崖近くの風通しの良い土地で栽培される。
 オンタリオ州のようなカナダ南部の地域では、短い夏ながら、日中は気温が30度を超えることもあり、その気候の変化によって独特の香り高くまろやかなテイストのワインが出来上がる。定番の赤、白のワインにスパークリングワイン、そして寒い地方ならではのアイスワインも人気が高い。
 今回いただいたのは「2013年スパークリング・カベルネ・アイスワイン」や「グラスパ」など6種類のワイン。「グラスパ」はホットペッパーにカナダの特産品であるメープルシロップを取り合わせたカナダならではのテイスト。口当たりがよく、女性も気軽に飲めるお酒だ。
 さて、参加者全員にはピノ・グリ品種のスパークリングワイン「momenti (モーメンティ)」のお土産付き。ラベルに「VQA/ONTARIO/VQA」と印字されている。調べてみるとVQAとはカナダ版のワイン品質管理協定システムで、100%オンタリオのブドウを使って製法されたことを示すもの、またクオリティーの高さを保証するものだという。製造過程にイタリアで編み出されたシャルマ法(密封タンク内で炭酸ガスを詰める方法)を取り入れているためコストもそんなに高くはない。
 「VINENI」では午前10:00から午後5:00まで(冬時間)、試飲ルームを設けている。またワイナリーには珍しい「B&B(ベッド&ブレックファースト)」も併設しているので、ブドウの収穫の時期に宿泊し、シーズンのブドウ畑を歩きながら、その香りを堪能してみるのもよし。また、ナイアガラの滝の近くということもあり、観光ついでに立ち寄ってみてはいかがだろうか。
「VINENI Estates Inc,」4553 Fly Road Beamsville ON, LOR1B2 http://www.vieni.ca/Homepage
(あおきたかこ・ニューヨーク在住)
2017年冬号掲載

月刊 酒文化2016年12月号掲載