カウンターがおすすめ　和食「瑞恵」

旅館や飲食店では食器やお酒が割れたり、建物が傷んだりする直接的な被害も少なくありませんでしたが、何よりも困っているのは震災も落ち着いた今もまだ客足が戻らないことです。おいしい料理とお酒、丁寧なおもてなしで頑張っているお店がたくさんあります。熊本へどんどん飲みに行きましょう。

本店は通りに面した１階。近くに別館もある。

熊本の郷土料理が得意のこのお店は、鶴屋百貨店のすぐ近くです。少人数でもカウンター席があるので気軽に入れます。手際よい仕事を眺めながら飲んだり食べたりしていると、こちらのペースに合わせて料理を出してもらえます。
厳選した地元の食材を丁寧に調理しているので、何を食べてもおいしくいただけますが、2~３軒はしごするつもりなら、カウンター席限定の「雨上がりコース」が手頃でしょう。小鉢、お造り、揚げ物、串焼 きなど7品で1980円とお値打ち、これに旬のひと皿を追加すれば丁度いい感じです。
お酒はまずは「阿蘇のれいざん麗酒爽快」をいただきました。軽い飲み口でスルスルと飲める人気商品。料理を邪魔せず引き立てます。２杯目は熊本市内の老舗「瑞鷹」がつくる「崇薫（すうくん）」。八代の腕利きの自然農法農家がつくった酒米で仕込んだ純米吟醸酒です。香り豊かでふくよかな味わいは、揚げ物にも負けずおいしくいただけました。
こちらのお店、被害は少なくありませんでしたが、ガスや水道が復旧してすぐ、震災の10日後にはお店を開けたそうです。まだ、通れない道も多く、飲みに出る人もほとんどありませんでしたが、動けるものから一歩進まなければ、復興もありません。熊本ではこんな前向きなお店ががんばっています。

「阿蘇のれいざん」は地元の定番酒。

これで「崇薫（すうくん）」と読む。

瑞恵本店のすっきりとしたカウンター。