『マッサン』がウイスキーに与えたインパクト 

酒飲み1000人に聞く「酒飲みのミカタ」。今回は、平均視聴率20%とヒットしているNHK連続テレビ小説『マッサン』が日本のウイスキーに与えたインパクトについてです。昨年秋の番組開始から国産ウイスキーの販売量が増加するなど大きな影響を残したこのドラマを酒飲みたちはどのようにみていたでしょうか。

『マッサン』に強く反応したウイスキーライトユーザー
まず回答者のドラマ視聴状況ですが、「よく見ている」が35%、「ときどき見ている」が16%で半数の人はストーリーを把握しているようでした。これは公開されている視聴率よりも高く関心の高さが伺えます。次に一番気になるこのドラマを見てウイスキーを飲むことが増えたかを聞きました。「増えた」は21%で、「変わらない」が79%、「減った」は1人もいませんでした。
この回答をそれまでのウイスキーの飲用状況別にみると、これまでのウイスキー飲用頻度が「月1回〜年数回程度」のライトなドリンカーに増えたという答えが多く37%となりました。「週一回」「年一回以下」の人はほとんど変化がなく、「月数回程度」は微増という結果でした。

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ジャパニーズウイスキーの独自性の理解が進んだ
続いて、このドラマをみて日本のウイスキーについてどのような感想を持ったかを聞いてみました。「日本のウイスキーには独自のこだわりがある」42%、「日本のウイスキーへの興味が増した」35%、など日本のウイスキーについての独自性の理解や興味が進みアイデンティティの確立に役立ったようです。具体的には、「あんな昔にスコットランドから技術導入した努力はすごい」(40代・男性)、「鴨井と亀山のふたつのこだわりがあって日本のウイスキーはビジネスとして定着したのだろう」(50代・男性)という声もありました。日本のウイスキーに興味が高まったからなのか「余市や山崎の蒸溜所に行きたくなった」53%、「ジャパニーズウイスキーとスコッチウイスキーは別のものである」34%などという意見も多かったです。
 一方で、日本産に限らず「ウイスキーの味の決め手はブレンドであるとわかった」32%、「スモーキーフレーバーという言葉を覚えた」23%、「スコッチウイスキーへの興味がました」19%、「ウイスキーを飲む人が増えた」17%など、ウイスキー全般に注意や関心を示すことが増えたようです。

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本やインターネットでウイスキーについて調べる人も2割弱
飲むこと以外でもドラマで触発されてウイスキー全般に興味が高まったことから「インターネットでウイスキーについて調べた」16%、「ウイスキーに関する本や雑誌を読んだ」15%と趣味のように情報を求める姿も窺え、ウイスキーブームのすそ野の広がりを実感させます。また公共放送であるNHKがウイスキー造りをテーマにした朝ドラを放送したことについて、「NHKがドラマで企業の歴史をやるとは思わなかった」(60代・男性)、「酒の話なので放送は夜の方がよかった」(50代・女性)、「人生ではじめて朝ドラを録画して全回みた」(40代・男性)、「若い頃は恰好つけて飲んでいたウイスキーですが、職場で話題になってまたハイボールから飲み始めました。」(40代・女性)など朝ドラをあまりみないサラリーマンや職場にまで浸透したことを伺わせます。そういう意味ではNHK・ウイスキー双方にとってWinWinの関係だったのかもしれません。しばらくは、マッサン効果でウイスキーに関心を持つ人が増えそうです。

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■調査概要
調査時期2015年3月7日(土)〜2015年3月11日(水)
調査対象酒文化研究所の酒好きモニター(N=1453)
有効回答177(回答率12%)
調査方法インターネットによる自記入式アンケート調査

2015年03月27日 13:15