日本に乾杯しよう!

click041013_1.jpg 「日本人には日本が足りない」と感じている方が活動する場がようやくできた。日本酒のメーカーや愛好者で組織する「日本酒で乾杯推進会議」のリードにより、日本の伝統的な文化のよさを見直し、積極的に取り込んでいこうという運動が本格的にスタートしたのだ。日本酒の日(10月1日)には帝国ホテル(東京)で設立記念イベントが開かれ、作家の林真理子さん、華道家元池坊の次期家元である池坊由紀さん、落語家の林家いっ平さんらが集い、「日本に乾杯しよう」と気勢をあげた。

 イベントでは冒頭に同会議委員長の田島義博さん(学習院理事長)が主旨を説明。「歌舞伎や能・狂言、あるいは日本料理など、海外では伝統的な日本文化の評価がどんどん高まり広がっている。その一方で国内では伝統文化への関心は薄く、『日本が足りない』と声があがっている。進めようとしているのは日本の伝統文化のよさを見直していこうという、ジャンルを超えた総合的な運動」と挨拶。
 続いておこなわれた「日本のかたち 日本のこころ」と題したパネルディスカッションでは、池坊由紀さんや林家いっ平さんが、伝統文化を継承するみずからの仕事をふり返り、形や歴史を知ることの大切さを痛感したエピソードを披露。最後には「日本文化のルネッサンスをめざして、ここに『日本酒で乾杯』活動の推進を宣言します」と結んだ。
 懇親パーティでは林真理子さんらが盛大に樽酒の鏡を開く。会場には一般の方々も大勢つめかけ、たくさんの日本酒と料理を堪能。日本に乾杯と言うにふさわしい、たいへんな盛り上がりとなった。

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2004年10月4日
株式会社 酒文化研究所 山田聡昭

2004年10月13日 16:37