御座石神社どぶろく祭

doburoku.jpg 長野県茅野市にある御座石神社で、4月27日、恒例のどぶろく祭が開催された。この祭では氏子が神社内の醸造所で自ら醸したどぶろくが振る舞われ、境内ではどぶろくの酒宴が繰り広げられる。好天に恵まれた今年は平日の昼間にも係らず400名を超える人々が集い、皆おおいに酔っ払った。


(写真:御座石神社の境内でのどぶろくの酒宴)

醸造当番にあたった3名はおよそ1ヶ月間、神社の宿舎に寝泊りし、酒づくりにあたる。そのため時間の自由がきく自営業者や定年退職した方が担当することが多い。が、今年の当番にはお一人まだ現役のサラリーマンもいた。酒づくりの期間中は宿舎から職場に通い、佳境に入った時には休暇をとって大役を果たしたのだそうだ。今年は幸い冬が長く4月にはいっても霜の降りる日が多かった。そのため酒の醗酵をコントロールしやすく、辛口のうまいどぶろくに仕上がったという。
どぶろくづくりに全面的に協力しているのは市内にあるダイヤ菊酒造。巨匠小津安二郎が蓼科に篭って映画の構想を練るとき、決まってダイヤ菊を飲んだという逸話を持つ銘醸蔵である。毎年、精米、米の蒸し、麹づくりを代行しているほか、同社の植松杜氏が毎日神社に通って親身に指導する。植松杜氏によると「決まった日に酒を仕上げなければならないどぶろく造りは、自分自身の勉強にもなる」と言う。通常の清酒づくりでは醗酵の進み具合に合わせて、醗酵を止める日を決めていく。けれどもどぶろく祭では、4月27日においしく仕上げなければならない。おのずと醗酵の管理の仕方が変わってくる。
多くの人々の力でどぶろく醸し、おおいに飲み、感謝するこの祭、来年はあなたも出かけてみてはいかがだろうか。

2005年05月31日 15:46