全国新酒鑑評会が今年も開催

050531_3.jpg東広島市の酒類総合研究所で5月11日〜12日に、今年も全国新酒鑑評会が開催された。この催しは94年前から今日まで続いている、日本酒のもっとも古い品質コンクールである。日本酒の製造技術向上と優良な技術の普及を目的としてスタートし、今日の日本酒の姿に少なからぬ影響を与えてきた。今回も全国の蔵元から1000点を超える出品があり、厳しい審査をくぐり抜けて最高評価の「金賞」に257点が選ばれた。

11日午後、酒を吟味する審査室には、予審を通過した酒が琥珀色のグラスに満たされて一直線に並んでいた。酒は審査時に温度が18度〜20度になるようにコントロールされている。また、香りの強さによってグループ分けされ、香りの控えめなグループから順に審査される。
決審(最終選考会)では28人の審査員が2グループに分かれて、一度に50点の酒を官能テストする。審査員たちは、グラスの前に立つと呼吸を調えて香りを確かめ、おもむろに口に運んでいく。ジュルジュルと酒に空気を通す音と、グラスをテーブルに置くコトッ、コトッというがあちこちから絶え間なく聞こえてくる。一点の評価にかける時間はわずかに一五秒、口に含んでいる時間は四〜五秒だ。このわずかな時間で特に良質なものを拾い上げていく。会場には真剣勝負のピリピリした空気が常に漂っていた。
鑑評会に出品された酒の公開きき酒会は、今年は5月26日に東広島運動公園アクアパーク体育館で開催される(入場料1000円 消費税込み)。最高の評価を受けた吟醸酒を、一度にたくさん堪能できる。

2005年05月31日 16:01