原産地呼称管理制度全国大会 in NAGANO開催さる

photo080312_1.jpg

フランスワインのAOCをひな形にして日本で最初の原産地呼称管理制度が長野県で導入されてから3年が経過した。ワイン・日本酒・本格焼酎・米の4分野で実施していますが、2月8日にその全国大会と酒類の審査会が開催され、審査員として参加してきたので、その概要をご紹介する。

長野県の原産地呼称管理制度は、田中康夫前知事の時代に導入されたものだ。長野県在住のエッセイストで食文化にも詳しい玉村豊男氏が長野県アグリ指南役に就任して、田崎真也氏(ソムリエ)などの尽力によりはじまったものだ。出品できる酒は、日本酒では県内産米だけを使った純米酒、本格焼酎の場合もすべて県内産の原料を使ったものに限られる。(たとえば粕取焼酎の場合には、その酒粕が県内産米で作られた純米酒の酒粕だけに限定されるなど条件は厳しい)その出品酒の中で専門審査員の官能審査会で合格した酒だけが、認定されて商品にそのマークが貼付される。その後、佐賀県でもほぼ同じ規格で日本酒と本格焼酎の制度が導入されている。

 当日は、午前中に日本酒・本格焼酎、午後からワインの順番にそれぞれ出品された酒類の審査会(官能審査)が実施された。本年からこの官能審査員を委嘱されて、はじめて出席したが想像以上に厳しい審査であった。しかも審査がガラス張り(マスコミが中に入って来られる)の中で行われ、テイスティングしている姿を写真に撮られたりするので別な意味で緊張させられる。ワインの審査も見学してみたが、さすがに世界の田崎氏はカメラを気にすることなく堂に入った審査姿で格好よかった。

 その中で原産地呼称制度のひとつの効果として、フランスのシャブリ村の例をあげた。「シャブリは人口400人の小さな村だがワインの世界ではその名前を知らない者はいない。村の若い人達は海外に出かけると自分の村が有名なことに驚かされ、自分の村とワインへの愛着と誇りをとても強くして帰ってくる。今後、長野県もワインや日本酒の産地として世界に名前が轟くようにますますの精進をして欲しい」と話が締めくくられて、500名の参加者と共に長野県の酒と食を堪能できるパーティに移った。

photo080312_2.jpg

photo080312_3.jpg

2008年03月11日 18:52