大盛況だった日本酒フェア2008

各都道府県の酒造組合が趣向を凝らして出展

 日本酒造組合中央会と独立行政法人酒類総合研究所は、昨年に引き続き6月に東京で日本酒フェアを開催した。この催しは、酒類総合研究所が主催する「全国新酒鑑評会公開きき酒会」と、44の都道府県の酒造組合の展示・試飲イベントを同時開催するもの。今年は業界関係者向けの午前の部と、一般を対象にした夕方の部の2部構成でおこなわれた。

 足を運んだのは業界関係者向けの午前の部。関係者が多いこともあって公開きき酒会の会場は、人が入っている割に静か。メモと試飲グラスを手に、黙々とテイスティングする人の姿が多く、愛飲家の年齢層を反映してか、年配の男性の姿が目立った。
 各県の酒造組合の試飲・展示ブースは、県独自の酒造好適米を用いた製品を前面に出したり、ブラインドでのきき当てイベントを実施したりと、各県が特徴を出そうと工夫が凝らしていた。
 そのほか世界的なワインコンクール「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」の「SAKE部門」で入賞した商品の試飲ができるブースがあった。国内のコンクールでは高くは評価されないと思えるキャラクターの酒があり、欧米での清酒の味わいの評価軸が加わることで、清酒の香味のバラエティが一層広くなることが予感された。それは、清酒の味わいの完成度や魅力の評価という点で、新たな議論が必要になることを意味するものでもあった。

080707_3_2.jpg
公開きき酒会場ではメモしながら熱心にテイスティングする人が目立った

2008年07月08日 03:15