初代ウイスキー マスターは世界の北野武さん

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 はじめて開催された「ウイスキー ラバーズ アワード2009」(主催:サントリー酒類株式会社)は、ウイスキーの奥深い価値と幅広い楽しみを人々に知らせ、ウイスキー文化を発展させる試み。毎年、「ベスト ウイスキー ラバー」「ニュー ウイスキー ラバー」「ウイスキー マスター」を選考するという。栄えある初代ウイスキー マスターに選ばれたのはコメディアンで映画監督の北野武さん。

写真:バカラのシャンデリアの下、カッシーナの椅子で極上のウイスキーを味わう受賞者たち。受賞トロフィーはバカラのカラフェ入りのウイスキー。

 個性豊かに熟成した原酒たちが奏でる見事なアンサンブルは、他の酒には見られないウイスキー独自の魅力である。ウイスキー マスターに選ばれた北野さんは受賞後のインタビューで、「ウイスキーって映画に似ているんだよね。他所の映画でいいなあと思った役者を使って撮っても、ぜんぜんよくならないことがある。これは監督の力不足なんだな。カッコいい役者ばかりにするとわけがわからなくなってしまうけれど、個性的な役者をちょっと入れると主役がぐんと引き立ったりする」とブレンダーの仕事を映画監督になぞらえた、正鵠を射たコメント。サントリーのチーフブレンダー輿水精一氏との会話は彼のインスピレーションを掻き立てたようだ。
 ウイスキーの熟成のように、未来の成長が期待される才気あふれる若い著名人に贈られるのがニュー ウイスキー ラバー。今回は俳優の成宮寛貴さんと栗山千明さんが選ばれた。渋い男性のイメージが強かったウイスキーだったが、2人のような若い世代にも魅力的に映るようで、「ウイスキーを飲むときはゆっくりした気持ちになる」と言う。
 ウイスキーの新しいイメージリーダーにふさわしい人に贈られるベスト ウイスキー ラバーは、歌手の山崎まさよしさんと女優の小雪さんが受賞。「小雪さんのコマーシャルのように、きれいなママにつくってもらったハイボールはとてもおいしいでしょうね」と山崎さん。小雪さんは「ウイスキーのコマーシャルをさせていただいてからとても身近なお酒になって、今は食事しながら楽しんでいます」と。
 今年、ウイスキーの出荷量は前年を1割以上上回り、不況をよそに絶好調。時間をゆっくり楽しむ深い味わい、一方でカジュアルにワイワイ楽しむハイボール。ウイスキーの世界にあった、相反する二つの価値が飲み手の気持ちをとらえたということだろう。
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ニュー ウイスキー ラバーに選ばれたのは成宮寛貴さんと栗山千明さん
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山崎まさよしさんの曲を聴きながら小雪さんとハイボールなんて贅沢すぎる
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「酒のある場が好き。話がそれてもおもしろく、発想がわくから」と北野武さん

2009年12月09日 12:01