ウイスキーLIVEが上海で開催

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10年前に東京で始まったウイスキーの試飲イベント「ウイスキーLIVE」。さまざまな蒸溜所のウイスキーを飲み比べ、専門家によるウイスキーセミナーを聴講し、ウイスキーと相性のよいおつまみを試せることが評判となり、世界各国で開催されるようになった。そしてつい先日、万博で熱気が溢れる上海でなんと2日間にわたって開催(5月21日〜22日)、中国のウイスキーラバーたちが集った。

写真:ウイスキーLIVE上海が昨年に続いて2度目の開催

この10年間にじわじわと高まってきたシングルモルト人気。ワインマニアがテイスティングするように、愛好家はウイスキーと向き合い、香り、味わい、のど越し、余韻など、その酒の個性を楽しむ。ウイスキーの評論家デーブ・ブルーム氏は「シングルモルトの愛好家はもともとウイスキー好きだったわけではない。ワインの愛好家が多く流れてきたんだ」と言っていたが、鋭い考察だと思う。酔いを求めるのではなく、香りや味わいを愛でる対象としてウイスキーを見るのは、ワインの愛好家の態度と同質のものだ。
中国のワイン消費量はすでに世界トップ10に入る。富裕層には欧米の文化に馴染んだワインラバーが少なくなく、購買力の向上とあいまって高級ワインの消費も旺盛だ。同じようにシングルモルトの愛好家が登場するのは自然なこと。今回のイベントにも、そうした方々が大勢来場していた。
もっとも、出品されていたのはシングルモルトウイスキーだけではない。ブレンデッドスコッチやバーボンウイスキーもあり、マニアックな消費だけでなく、上等のおいしいウイスキーを理屈抜きに楽しみたいというニーズの大きさが感じられる。とうぜん、ウイスキーベースのカクテルを紹介するメーカーがあり、ウイスキーを飲みながら体験型ゴルフのゲームをするという提案もあった。
上海にあるウイスキーを甘い緑茶で割ってイッキ飲みするラフな飲み方と、シングルモルトの個性を愛でる愛好家の飲み方。同じ時代の同じ場所に誕生して、どちらも急速に拡大する気配。中国の酒消費からしばらく目が離せない。
(ウイスキーLIVE上海をさらに知りたい方は「熱すぎる上海酒場探検」を参照)

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日本からはサントリーが出品。「知ッテマス。ヒビキ スバラシイデス」というお客様も。

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ウイスキーにストロベリーソースを加えてソーダ割り。年配の女性たちに人気だった。

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ウイスキーの酒場にゴルフゲームを提案。スポーツバーというよりカラオケ代わりにゴルフという感じ。

2010年06月01日 16:06