先週ボジョレーヌーボーが解禁された。この日を迎えるともう年末が近いなあ、これから忘年会、クリスマス、正月と慌ただしくなるなあと思う方も多いのではないだろうか。今年は前評判通りなかなかの出来ばえで味わいも高評価。飲みやすくておいしいワインだから、あまり振り回されることなく、あわてずマイペースで楽しんではいかがだろうか。
写真:ボジョレーと言えばジョルジュデュブッフ。
今年はフランスのボジョレーヌーボーコンテストで、400点のなかからベスト10に選ばれ最高金賞を受賞した。
このところボジョレーヌーボーの出来の良い年が続いているのは、ワインづくりが昔ほどは天候に左右されなくなってきているためだ。ブドウの栽培や醸造の技術や設備は、近年著しく発展している。最上のものは天の恵みに頼るばかりだが、平均以上のものはコンスタントにつくれるようになってきている。
もともとヌーボーは、自然の恵みへの感謝の気持ちを込めて、出来たての酒を楽しむもの。フレッシュでピチピチしたワインで祝うお祭りだ。日本ではワインを飲むのはヌーボーとクリスマスという方がたくさんいて、ワインの入門酒でもある。
安定して良質なワインができるようになった今、ヌーボーのほんらいの位置づけから転じて、飲みやすい赤ワインとして楽しむ傾向が出てくるのは自然な流れだ。1本のブドウに実る房の数を厳しく制限して、長期間熟成してもおいしく飲めるような高級ヌーボーもあれば、気楽に飲める安価なヌーボーも登場した。さらに飲みきるラミネートタイプのパッケージのものも登場して、ヌーボーはTPOに合わせて楽しむワインになっている。
ただ、そうは言ってもやっぱりヌーボー。気分的には年が明ける前に飲みきりたいところ。12月には船便が到着して、良品がリーズナブルに手に入る。あわてずにコストパフォーマンスの高いものを選ぶのが、大人の買い方かもしれない。
新酒で飲むのがもったいないようなエレガントで複雑なボジョレーヌーボー。2年〜3年したらスパイシーに熟成しそう。
飲みきりサイズのラミネートパックは手軽。どこでも飲めるモバイルヌーボーだ。右手前はスパークリングタイプのヌーボー。フレッシュで爽快。