一昨年に続き2回目となったTOKYOどぶろくフェスタ。酒文化研究所が1月28日(土)に浜離宮朝日ホール(東京都中央区)で開催した。これは来場者が試飲投票でお気に入りのどぶろくを選ぶ、コンテスト型パーティイベント。今回はどぶろく特区のどぶろくだけでなく、酒蔵がつくるどぶろくや、韓国のどぶろくであるマッコリの出品も募り、コンテストへの出品は61社から109点にのぼった。
小泉政権の経済構造改革特区でどぶろく特区が設けられたのが2003年。それから10年目となる今年、全国各地に100ものどぶろく特区が生まれ130者を超えるどぶろく生産農家が誕生した。また、日本酒の酒蔵にも、甘み、酸味、発泡性など日本酒と異なる味わいをもつどぶろくに参入するところも出ている。
一方、近年、日本でも注目され急成長したマッコリは、朝鮮半島伝統の濁酒。広く市販されているアルコール度数の低く飲みやすいタイプから、濃醇な本格派まで幅広い味わいをもつ。韓国から輸入される商品に加えて、在日韓国人が日本でマッコリメーカーを創業したり、酒造会社が製造したりする例も見られる。
このような米を発酵させたにごり酒は、稲作する東アジア全体に古くからあり、今も漬けもののように家庭でつくられ楽しまれている。マッコリとどぶろくの違いは、その地域の風土・文化の違いが反映されたものだ。
当日、TOKYOどぶろくフェスタには200名近い愛好家が集まり、109点(内訳どぶろく82点・マッコリ27点)を真剣に飲み比べた。ひとり15点〜20点の出品酒を試飲評価し、好みのものを2つ選んだ結果、得票率の高い22点(上位2割)が優秀賞に選出された。
さらにそのうち最多得票し、見事に大賞を射止めたのは「どぶろく生部門」の「十二六」(武重本家酒造株式会社・長野県)と、「〃火入れ(加熱殺菌したもの)部門」の「どぶろく ひろめぼれ(火入れ)」(酒田発酵・山形県)の2つ。酒文化研究所の狩野卓也代表から記念のトロフィーが贈られると、来場者からは称賛の拍手が盛大に沸き起こった。
どぶろく生部門で大賞を受賞した「十二六」。酒文化研究所代表の狩野からトロフィーを贈られる製造元の武重本家酒造(右)
どぶろく生部門で優秀賞を受賞した方々(来場者のみ)
どぶろく火入れ部門で優秀賞を受賞した方々(来場者のみ)
マッコリ部門で優秀賞を受賞した方々(来場者のみ)
試飲用の酒はポリバッグに入れ、氷で冷やしていい状態で試飲した
真剣に試飲する来場者たち。男女比は半々、年齢も多岐にわたった
出展したどぶろく・マッコリ生産者と交流する参加者
どぶろくの現状とマッコリとの違いを説明するミニセミナーを開催