森香るハイボールのふるさと〜白州蒸溜所を訪ねて

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 5月29日にサントリーのシングルモルト新製品「白州」が発売される。それにあわせてマスメディア向けの見学会が企画され訪れる機会を得た。ハイボールブームで角瓶がけん引し、久々に活況を呈しているウイスキー市場だがプレミアムクラスの「白州」も直近4カ月で前年比84%と急速に拡大している。特に「白州」とミントを使った森香るハイボールは、都内70店余りのモデル店で展開してきたが、女性の支持率が高いので、今年は本格的に展開していくと説明を受けた。

さて、白州蒸溜所(山梨県北杜市)が、サントリー二番目の蒸溜所として建設されたのは1973年。もう40年も前のことだ。南アルプスの甲斐駒ケ岳の山麓標高700mというかなりの高台にあり、来場者はまず最初にウイスキーミュージアムとゲストルームに通される。広大な敷地はうっそうとした森林に囲まれており、敷地内でバードウォッチングも催されているほどだ。花崗岩に磨かれた蒸溜所の仕込み水の水質は軟水で「南アルプスの天然水」としてミネラルウォーターのトップブランドでもある。40万樽のモルトウイスキーが眠る17棟の熟成庫と蒸溜所、ウイスキー博物館、ミネラルウォーター工場などが点在しており、見学者が場内の移動で使うバスは環境を考えて電気自動車となっている。
ここのウイスキーの特徴は、発酵に使う桶がステンレスではなくて木桶であることと、蒸溜の際にスチームを使うのではなくて、直火焚きで加熱するという方式にある。本年は好調な需要を受けて木桶発酵漕を4器増設している。今回発売されるシングルモルト「白州」の特徴は、重厚で複雑な味わいの「山崎」に対して、クリーンで軽快な香りにあるという。使われる主要モルト4種類を比較試飲させてもらったが、ピーティーなモルトは、確かに「山崎」とは違った個性を見せてくれた。ともかく、豊かな森林に囲まれた蒸溜所は癒し効果が十二分にある。中央高速小淵沢ICからほど近いので、これからのシーズンには、ドライブがてら訪れるのも楽しいだろう。(ハイシーズンはほぼ毎日見学を受け付けている)

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蒸溜所内に入ると最初に出迎えてくれるウィスキーミュージアム

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今回お世話になったみなさん(右から土田雅人スピリッツ事業部長、前村久白州工場長
福与伸二チーフブレンダー)

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白州蒸溜所を特徴ずける発酵木桶槽
左下:今回増設した真新しい木桶検定日は4.17である

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ミントの入った森香るハイボールと新「白州」


2012年05月25日 21:00