都会的で洗練されたローランドモルト「オーヘントッシャン」

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 スコットランドのボウモア蒸溜所とオーヘントッシャン蒸溜所などを傘下に持つモリソンボウモア社のグローバルブランドアンバサダーであるゴードン氏によるティスティングセミナーに参加した。オーヘントッシャン蒸溜所は、スコットランドのローランド地方グラスゴー近郊にあり創業は1823年と伝わる。みなさんが飲むことも多いハイランドやアイラなどのスコッチモルトは初溜、再溜の2回蒸溜だが、アイルランド移民によって創業されたと言われる同蒸溜所はアイルランド方式の3回蒸溜という独特な手法をとっており、それを現在も守っているスコットランド唯一の蒸溜所である。3回蒸溜することによりデリケートでスムーズな味わいのウイスキーがつくりだされている。実は10数年前に訪問したことがあり、あの頃仕込まれたお酒を飲めるのかと思うと感慨ひとしおでもあった。

  ゴードン氏は「ウイスキーの香りは、熟成に使う樽の選択によって大きく変化する」と冒頭述べ、同社では、アメリカンオークのバーボン樽原酒や多様なシェリー樽原酒を組み合わせて、デリケートでスムーズでありながら香り豊かなシングルモルトウイスキーを生みだしている。
photo140303_2.jpg  試飲した中で「オーヘントッシャン アメリカンオーク」は、ファーストフィルのバーボン樽熟成原酒だけを使うからなのかウッデイで爽やかな香りに特徴がある軽快なウイスキーであった。「オーヘントッシャン スリーウッド」は、名前の通りバーボン樽で熟成させた後に、オロロソシェリーの樽に移し、さらにペドロヒメネス(シェリー)の樽で熟成させるという手間をかけていたが、試飲してみるとペドロヒメネス由来なのかとても芳醇でフルーティーな香りがあり、こちらはディジェスティフ向きという感じである。
 スコッチのシングルモルトというとスモーキーで重厚な味わいのものを想像する人が多いと思うが、ローランドの代表オーヘントッシャンは華やかで繊細な味わいのモルトのようだ。

10年前の訪問記

2014年03月02日 23:55