今年も大人気の酒イベント「にいがた酒の陣」が朱鷺メッセ(新潟市)で開催されました。新潟の酒を存分に堪能できるとあって例年会場は超満員。東京からの新幹線は満席で、会期中は新潟市内のホテルは予約がなかなかとれません。今年の来場者数は3/12〜3/13の2日間で122,652人に達し、有料入場の屋内型イベントとしては日本最大(=世界最大)です。
写真:門を抜けるとそこは酒の国
激しさを増す混雑の緩和が課題となっていましたが、今年は飲食コーナーを屋外テントに移してブース間の通路を広くとり、酒蔵のブース巡りがしやすくなりました。ほかにも15時以降入場の割引チケットも発売して来場者の分散を図るなど、運営面でも進歩しています。
各社の酒を試してみると、かつての淡麗辛口タイプに加えて、フルボディのもの、香りの高いもの、甘い口当たりなのにキレるものなど、バラエティに富んでいました。新潟の酒は全国的に高い人気を誇りますが、安住することなく時代とともに変わろうとしていることがわかります。
そして同様の催しを開催する地域がなぜ出てこないのかという思いがよぎります。東京での楽しむ会、酒蔵が単独で開催する蔵開きはすっかり定着しました。次の勝負はいよいよ本丸の「地元に足を運んでもらう仕掛け」です。地元で飲む地酒はおいしさが倍増します。新幹線網の拡充でアクセスがよくなってきた今こそ、都会から「地酒」を飲みに来る流れをつくりたいところ。にいがた酒の陣に続くイベントの登場を待ちましょう。
初日の12日。アフター15時チケットを購入する長蛇の列。ほぼ30分待ちで購入
会場は酔っぱらいが溢れ返っています
最初のエリアは上越・佐渡地区の蔵が並びました。妙高酒造の松田社長
佐渡の『真野鶴』の尾畑専務
バーボンやウイスキーの樽に貯蔵するフレーバード酒。おもしろい発想です
(福顔酒造)
スローフードジャパン燗酒コンテストでは入賞常連の『越後杜氏』
きき酒コンテストのチャンピオンは遠く高知から参加された女性
館内の飲食テーブルは椅子なし。購入した酒と肴で立ち飲み
腰を据えて飲みたい方は屋外テントで
フードコートには県内のおいしいものが盛りだくさん
各蔵の杜氏が交代で来場者と交流。つくりの現場の方のお話は魅力的
新潟は県の醸造試験場があります。技術開発と切磋琢磨する意欲が昔から高かったことの現れです