厳しい自然と暖かなもてなし
蒸溜されたばかりのニューポットは水道水で度数を整えて貯蔵される。ボウモアで驚かされるのはニューポットがおいしいこと。スコッチウイスキーはオーク樽で最低三年間貯蔵することが定められているため、ウイスキーとして世に出ることはないが、この酒の新しい一面を見たように思う。そのまま製品化できるのではないかと思う味わいだ。
樽はシェリー樽とバーボン樽。シェリー樽はマッカランと同じくオロロソ・シェリーのもの。ニューポットを詰め、樽に貯蔵年度、量、ナンバーを焼印し、ボウモア自慢の貯蔵庫で熟成させる。
貯蔵庫はボルツ(Baults )と名づけられ、半地下で海岸に面し常に波のしぶきがかかる。この貯蔵庫は数々のモルトウイスキー貯蔵庫の中でも特によい熟成が進むという評価がある。ここにはエリザベス女王の樽をはじめ、著名人が所有する樽も多く眠っている。
そして、ボウモア蒸溜所で見なければならないのはゲストハウスである。ショップを兼ねたゲストハウスは、けっして大きくはないが心地よいホスピタリティが溢れる。
これは、アイラ島全体に言えることだが、人々はみなフレンドリーで来訪者をほっとさせる。 スコットランドのはずれの孤島にまで、わざわざ足を運んでくれた人をもてなそうという気風が感じられる。厳しい自然とだからこそ映える蒸溜所のたたずまい、そして暖かなもてなしはアイラのウイスキーを忘れがたいものにする。小さな蒸溜所ながら世界に名声をとどろかせるブランドは、こうした環境によっても支えられているのだろう。

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