『ワイングラスでおいしい日本酒アワード2012』の表彰式と受賞酒のお披露目会が、4月9日に六本木のアカデミーヒルズで開催された。全国各地から約60社の受賞蔵元が駆け付け、来場した300人近い販売店・料飲店に受賞酒をお披露目、商品を熱心に説明した。
写真: ワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞を受賞した蔵元(東日本)。表彰盾のプレゼンターは俳優の辰巳拓郎氏
この春いちばんの好天に恵まれたこの日、会場は350人もの参加者で埋まった。冒頭、実行委員会の津久浦慶明氏(コンタツ株式会社)は「日本酒を若者に、和食以外の料飲店に、そして海外に広めるための運動として推進しているこのアワードは、昨年、さまざまな販売ルートで注力いただき、受賞した商品はたいへんよい数字を残した。今年もこうした流れを加速して行きたい」と挨拶。
続く来賓祝辞では日本酒造組合中央会の佐浦弘一氏(株式会社佐浦)が、ワイングラスで日本酒を飲むスタイルが需要開発に貢献すると考え、同組合が進めるプロモーション『日本酒クールスタイル』にワイングラスでの飲用を盛り込んだと、このアワードの活動の広がりを評価した。
審査員を代表して日本酒造組合理事の濱田由紀雄氏は、ワイングラスと相性の良い味わいに言及し、そうした方向性の商品開発を示唆した。
このあと受賞蔵元の表彰に移り、最高金賞を受賞した22の商品に記念の盾が授与された。プレゼンターは日本酒に詳しい俳優の辰巳拓郎氏。蔵元たちは楯を手に辰巳氏を囲んで記念撮影、会は和やかに進んだ。
第2部では審査員もつとめたドミニク・コルビ氏(フレンチシェフ)、宇留賀めぐみ氏(料理研究家)、友田晶子氏(トータル料飲コンサルタント・ソムリエ・きき酒師)によるトークショー『日本酒はワイングラスで和食を超える』がおこなわれた。友田氏は「日本酒は他の酒と戦うのではなくて共存すればいい。日本酒の適性が発揮されるポジションがさまざまなところにある」と指摘。コルビ氏は、日本酒と日本の食材の相性の良さや料理酒としての魅力に触れ、さらに果実香の高いものとデザートとの組み合わせに注目したいと述べた。宇留賀氏は主宰する料理教室の受講者に日本酒を体験させると、みな「えっ?」と驚くというエピソードを紹介。入口づくりの重要性を感じさせた。
表彰式から終了まで3時間に及ぶイベントは、歓声が途切れることなく、ワイングラスで日本酒を飲むスタイルの明るい未来を暗示する催しとなった。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞受賞蔵元(西日本)
スパークリングSAKE部門の最高金賞は4点
大吟醸部門の最高金賞は6点
実行委員会の津久浦慶明氏は開会挨拶で「『スパークリングSAKE』と呼称の統一を」と
佐浦弘一氏(日本酒造組合中央会・需要開発委員長)はワイングラスで飲むスタイルは新しい需要を開発していると評価。
濱田由紀雄氏(日本酒造組合理事・審査員)はワイングラスときき猪口の印象の違いを解説。
最高金賞のプレゼンターの辰巳拓郎氏からはワイングラスで日本酒に応援メッセージ。
3部門で金賞を受賞したあさ開株式会社様が代表で表彰状を受け取った(向かって右)
表彰式は実行委員会の辰馬健仁氏(辰馬本家酒造株式会社)が締めの挨拶
第2部のトークショー「日本酒はワイングラスで和食を超える」
3人のパネラーがそれぞれの立場から日本酒のポテンシャルの高さを述べた
ワイングラスで日本酒をサービスするメリットを解説するミニセミナー(講師:山田聡昭/酒文化研究所)
ワイングラスでおいしい日本酒をアピールするメニュー案も提案
試飲ブースでは酒のプロたちが受賞酒を堪能
来場できなかった受賞蔵元の商品はフリー試飲で提供
受付ロビーではリーデルグラス(協賛者)を展示
入賞酒の売場展開提案コーナーも