好天に恵まれた10月16日(日)、カタシモワイナリー(大阪府柏原市)に22人のワイン好きが集まりました。斜面に広がるブドウ畑を歩き、地元で評判のフレンチレストラン「ボンシック」さんのフルコース一皿ごとにワインを合わせます。弊社の山田聡昭が同行し各地で産地形成が進みつつある日本ワインの現状と今後の期待を語り、カタシモワイナリーの高井利洋社長は大阪ワイナリーならではの自社の取り組みをアピールしました。
写真:ワイナリー直営の畑でさまざまなブドウを食べ比べる
この日帰りツアーは昨年に続く2回目の開催です。大阪中心部から1時間足らずでアクセスできるワイナリーなので、気軽に電車で訪ねてワインを楽しめます。ワイナリーは公共交通の便が良くないところにあることが多いですが、ここは近鉄大阪線「安堂駅」から徒歩10分という好立地です。さらにワイナリーの周辺には古い古民家が多く、住民たちが自主管理する水場や神社が残っています
今回は年初から「今年もやって欲しい」というリクエストが相次ぎました。「大阪にこんなワイナリーがあるなんて知らなかった」「ブドウ畑でいただいたランチがとてもおいしかった」「高井社長の大阪のワインづくりにかける情熱に圧倒されました。ぜひ今年も」などの声です。春には開催を決めワイナリーとどんな趣向にするかを検討してきました。
「同じことをやったのではお客さんは満足しません。手間暇をかけてやって『つまらん』と言われたのでは、やる意味がないでしょう。今回はブドウ畑を少し長く歩いて食事は古民家にしましょう。それと参加者がどんなワインを普段飲んでいるのかわかる範囲でいいから教えてください」と高井社長。この案のとおりに会を運営すると、昨年参加したメンバーもおおいに満足したようです。
日本(大阪)でワインをつくるということは、その地でよく育つブドウを栽培し、それでおいしいワインをつくるということです。土壌や気候の特徴、さらに温暖化の影響を考えながらブドウ品種を選び、栽培、醸造、貯蔵の方法に工夫を凝らします。結果的に日本らしい品質が追求され、付加価値の高い商品が生まれます。
同時に日本にブドウ畑を残したいと思う日本ワインファンを育てることも必要です。ファンがいれば高コストな産地であってもビジネスとして成り立ちます。そうした環境を整えなければ、日本のワイナリーは永続しません。簡単ではありませんがカタシモワイナリーは、全力でこの難題にチャレンジしていました。
斜面の畑を上ったり下りたり。耕作放棄地を極力引き受けブドウ畑にする
神社や井戸水は住民が自主管理
ワイン滓を発酵させて肥料にする。カタシモワイナリーで使う肥料はこれだけ
ランチタイムに参加者どうし自己紹介
前菜はサーモン・かぶら・すだち
アントレは紅ズワイガニ・茄子・パプリカ
サツマイモのスープ
メインは真鯛ときのこ
メインの黒毛和牛とジャガイモ
デザートの一品目はプリン
デザートの栗・いちじく・紅茶
ブドウの葉のお茶
試したワインは9種類
参加者全員で集合写真