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企業化の変遷
大正初期から多くの企業がいわゆる合成清酒を企業化したが、理研酒製造特許が分権される以前の主な方法は味醂方式で、この方法
はアルコール分三〇%で査定を受けた後、水で約二倍に稀釈してアルコール分一六%内外の市販酒とするもので、酒税率が約半分にな
り、この利点が最も魅力的であった。
昭和一一年(一九三六)に理研酒製造特許が開放され、各社が分権を受けて理研式合成清酒発展飛躍の時期を迎えた。それより以前
に理化学研究所自身が理化学興業(株)を設立して、昭和三年(一九二八)に理研酒「利久」を発売したが、この「利久」ブランドは
協和醗酵工業(株)に引き継がれて、今日でも製品が存在している。
関連法規類の変遷
一 「合成清酒」種類の独立と名称の確定
酒類に関する幾つかの法律が一本化されて昭和一五年(一九四〇)四月一日に「酒税法」が実施された。この法律により、それまで模
擬清酒、清酒代用飲料、混成酒、代用清酒、新日本酒、保健酒、新清酒、理研酒、人口酒、合成酒等々と呼ばれていたものが「合成清酒」
の名称のもとに正式に独立の種類として定義された。その後何回かの改正を経てはいるが、今日の合成清酒の定義はこの法律にもとづい
ていて、酒税法で定義されている一〇種類の酒類の中では合成清酒は製法上の自由度が比較的高度に許されている酒類といえる。
名称が確定した昭和一五年ごろは「合成」というコトバには独特のロマンと魅力があったが、今日では飲食品の名称としてはふさわ
しくないと思われる。しかし、これは法律上の名称であるので、改正するには難題が多い。なお、合成化学品は一?二あったとしても、
使用する原料のほとんどすべてが醗酵法ないしは抽出法により得られたもので、すべて食品添加物として認められたものばかりである。
二 合成清酒へのコメの使用許可
戦後のコメ不足への対応策として清酒にアルコールと調味料を添加して増量するいわゆる「三倍増醸法」が認められた。このことは
合成清酒業界を刺激することになり、合成清酒へのコメの使用運動が展開され、昭和二八年(一九五三)に「重量割合により五%の制限で合成清酒に米を使
用すること」が認められた。この制限は今日も変わってはいない。コメを使用するようになってから合成清酒の品質は一段と清酒に近
づいてきたが、合成清酒本来の理念からは遠のいたと考えられる。
製造方法
現在の合成清酒の一般的な製造方法は図表3に示すとおりである(4)。
合成清酒は各種食品添加物の混合を基本製法としているので、
清酒と比較して簡単である。この中で「香味液」は前項に記した合成清酒に許されたコメを原料とした清酒のようなもので「原料清酒」
とも呼ばれている。しかし、酒税法上は「リキュール類」であり、製法的には清酒よりも自由度が高いうえ、そのまま飲用する清酒よ
りも造りやすいといえよう。香味液は酒税法上の必須要件ではなくて、使用しなくてもよいのであるが、現在の合成清酒製品は限度い
っぱい使用されているものと思われる。それでも、国税庁企画鑑定官室による平成一二酒造年度資料をベースに試算すると清酒に使用
する白米の一四%にしか過ぎない。
現在はすでにコメ不足の時代ではないとはいえ、必ずしも安価な原材料ではないので、この点が優遇酒税額とともに清酒と比較して
製造原価面ひいては販売価格面での合成清酒の有利点である。
品質改善の推移
酒税法第三条の合成清酒の定義の中に「…その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するもの…」と記されていることでもあり、ま
た発想の原点からして、合成清酒技術者の関心はひとえにコメを使わないでできるだけ清酒に近い品質を作ることにあった。
このため過去には酒粕、米糠あるいは大豆粕等の利用研究や清酒の成分を丹念に同定して化学物質を用いて清酒成分を復元する研究
がなされて一応の成果があった。
昔は配合できる原料類の品目に限りがあり、かつそれらの精製度が低いこともあって、いわゆる「合成酒臭」なる一種の異臭に悩まさ
れていたが、全般的な科学技術の進歩のお陰で、合成酒臭からは解放されたうえ、使用できる原材料も広がり、コメの使用もあって一
段と清酒に近づいてきた。ここにも一つの産業だけが突出して進展するものではなく、あらゆる技術のレベルアップに支えられて向上
することが認められる。使用原料のうち主原料の一つであるアルコールの連続蒸留機を例にとれば、イルゲス式、ギヨーム式を経て、
昭和二六年(一九五一)協和醗酵工業(株)防府工場でわが国での初稼動になる「アロスパス蒸留機」およびその後の幾段階かの改良
型により、異臭の全くない純粋なエチルアルコールが工業的に生産されるようになって、合成清酒の品質向上にも大いに貢献した。
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