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麦焼酎の原産地「壱岐」を訪ねる
森の中にある静かな工場−天の川
二日目に朝一番で訪問したのが天の川酒造株式会社である。折悪しく土砂降りの愁雨となっていた。
幹線沿いにある本社事務所から分かれて昭和55年に移転新設した工場へと進む道は、車がすれ違えない細く、両側には木が生い茂り幽玄な雰囲気を醸し出していた。こちらは創業明治45年。初代が俳句を嗜んでいて、当時香川県の讃岐今比羅様の奉納俳句に「松よけて見上げる空や天の川」という句を応募して、これが最高位の「天」に入賞した。ほぼ同じ頃に焼酎の製造免許もおりたので、これを記念して「天の川」としている。
自慢は大きな熟成庫で、ホワイトオークとシェリー樽で一年程寝かせた後にタンクに移し替えられた焼酎が出荷の時を待つように眠っている。平成2年に新発売となった熟成焼酎「琥珀」が人気を集めているとのことであった。


もっとも古い手作りの蔵−山の守
有限会社山の守酒造場は、免許制が始まった明治32年に初代の山内守政が創業した。壱岐では一番古い手作り工場を称する蔵元である。特徴は仕込み水に自家井戸水を使っていることと、現在も製造している焼酎はすべて昔からの「かめ仕込み」を行い常圧蒸留するという手作りを守っていることにある。
かめ仕込みとは、もろみを発酵させる時にホーローやステンレス製のタンクを使わずに小さなかめで行うために手間がかかるが、その分、味に深みが増すといわれている。訪れた時にはまだ酒造りは始まっていなかったのだが、見学者用に作られたビデオで酒造りの様子はうかがうことができる。日本名門酒会に加盟していることもあり、販路は島外にもかなりあるようだ。
蔵の裏山には樹齢数百年を数える大木が鬱蒼と茂っているのが印象的だ。最近、オーナーが変わったが、島に住む地元杜氏による製造方法は揺らぐことはなさそうである。

21世紀に向けて
ここ数年、本格焼酎の人気はうなぎ登りである。しかし、ブーム的に増えているとはいっても、酒の違いや味わいなどを本当に楽しんでいる人はごくわずかに過ぎないのではないだろうか。血栓を溶かすという健康イメージや二日酔いしにくいなど、味や香りなどの本質以外の部分で評価され、膨張している気がしてならない。
また、壱岐焼酎が麦焼酎の発祥地として世界的に認定されているということを知っている人は好酒家にすら少ないのが現実である。日本酒の中で吟醸酒や純米酒が正しく理解されるようになるまでには、非常に長い年月がかかった。まして、もともと認知度の低い焼酎の産地や製法となると、どれほどの時間がかかるのだろうか。球磨焼酎を訪れた時にも感じたことであるが、そういう意味でも外国からの今回のこの評価は、壱岐島という焼酎の産地に目を向けさせる格好の機会だと思う。

壱岐酒類販売協同組合
長崎県壱岐郡郷之浦町東触639
電話 09204(7)1158
FAX 09204(7)5054

お酒の四季報(2000年冬号)

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