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ハンバーガーで「焼き方は?」と聞かれる店
上海で10月といえば蟹である。ちょっとしたレストランには、この時期どこにも「上海蟹」というビラが出ていて、目にするたびに「上海蟹には老酒なんだろうなぁ。一度食べてみたいけれど、結構、高いようだし、どうしようか・・・・・・」と思っていた。すると、ガイド役の陳さんから「安く食べられるところがあります。魚市場で蟹を買って、そばのレストランで調理してもらいましょう。そこなら高くないです」とのうれしい情報。
市内から車で20分くらいだろうか、築地の何倍あるかという感じの巨大な魚市場には、メインストリートに上海蟹の店がずらりと並んでいた。日本では見たこともない魚や貝、蝦蛄、海老、すっぽんに蛇もある。しばらくすると陳さんが「158元というのを88元にしてもらいました」と勝利の微笑で戻ってきた。
市場の入口の近くにある天鴻酒家(中華レストラン)に蟹を持ち込んで、蒸しあがるのを待つ間に冷菜をつまむ。くらげ、枝豆、筍と搾菜の和え物、キュウリの浅漬けなどなど。思わず「ビールでも飲むか」となって、店内を見渡すとかわいらしい三得利(サントリー)ビールのシャツを着た女性を発見(さすがに上海ではサントリーは強い。隅々までどこにでもあると感心)。この時期の繁盛を見越してビールメーカーが派遣したのだろうか、違うビールのシャツを着た娘もいる。彼女たちの笑顔につられた訳ではないけれど、「ビール1本、いや2本」と注文する。
しばらくして熱々の上海蟹が出てきた。「おお、これが」と気持ちがはやる。「熱いですから気をつけて。甲羅をはがして、この味噌と卵がおいしいです」「脚の肉はこうやって(と齧って搾り出す)」と陳さん。むしゃむしゃ。しばし沈黙。蟹を食べると黙ってしまうのは万国共通のようだ。
「ああおいしかった。フォアグラか海胆かという感じの味噌がいいね。日本ではこれに酒を注いで甲羅酒に・・・・・・。しまった! 老酒を注文するのを忘れていた」。蟹に夢中になって、せっかくの機会に老酒を飲んでいない。残念。
しかし、周りのテーブルを見ると老酒を飲んでいるのは隣の1卓だけ。20卓以上はあるテーブルには、ビール瓶やジョッキが並ぶ。これも時代、ビールで上海蟹は新しい風俗か。
と、そのとき店のおばちゃんが陳さんに話しかけてきた。「あんたらこの蟹いくらで買ったんだい」「88元も出したのかい。馬鹿だねえ、ウチで買えば40元だよ。今度は最初からうちに来な」と。そして陳さんは通訳し終えた後に、「でもおいしかったし、楽しかったから、よかったですよね」と屈託なく笑うのであった。
(文・写真 酒文化研究所 山田聡昭)
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