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自分で育てたブドウだけでワインを造る
サッポロ・マイワイン体験教室
サッポロワイン (山梨県)は今年初めて、一般から参加者を募ってワインづくり体験教室を開催しています。同社創業三〇周年の記
念行事のひとつでもありますが、背後には国内でのワインづくりに注目して欲しいという思いが強くあります。
国産ワインは、濃縮果汁を輸入して国内で発酵・瓶詰された低価格ワインと、国際レベルの高品質なワインに分かれつつあります。
どちらもそれぞれに価値があることですが、十分に評価されているとまでは言えません。サッポロワインの製造部の伊藤和秀さんは、
「マイワイン体験などいろいろな企画をして、国産ワインの価値をもっともっと認めていただけるようにしたい」と言います。
マイワイン体験では、四回の集合体験イベントが予定されています。第一回は五月末におこなったブドウの栽培体験です。余分な枝
葉をカットし、シャルドネ種の枝を誘導して、実をつけやすい状態にしました。第二回は七月初旬にブドウに雨が降りかからないように
する作業をおこないました。今後、九月にブドウを収穫しワインを仕込み、一一月にできたワインを瓶詰めする予定です。
特筆すべきことは、自分が担当したブドウだけで、自分だけのワインを仕込む点です。皆が収穫したブドウをひとつの発酵タンクで
仕込むのではなく、特別な小さな発酵容器で自分の分だけ仕込むのです。そうすることで、ワインづくりが選択の連続で、同じ畑でとれ
た同じ品種のブドウを使っても、ワインの味がちがってくることを体験できます。どの枝や葉を落すのか、どの実を生かすのか、収穫した
ブドウのどこまでを使うのかなどで、ワインは変わります。選択の連続とはそういう意味です。
これを聞いた税務署の担当者は、「本気ですか」と目を丸くしたそうです。ひとつひとつアルコール度数と酒量を測って、酒税を納め
なければならないからです。その手間はたいへんなものです。
特筆すべきもうひとつは、担当したブドウの手入れのために、いつ、ワイナリーに来て作業してもよいことです。時間があれば毎日
でも通って、ブドウの面倒を見てくださいと、参加者にはIDカードが配布されました。
五月末におこなわれた初回のイベントに参加しましたが、こうした内容に参加者からは驚きの声が相次いでい
ました。参加していたソムリエの方は、「フランスではブドウに触らせてももらえませんでした。こんな体験はそうできません。毎日
でも来たい」と興奮気味。また、千葉からひとりで参加した女性は、「最初は怖くて枝を落とせませんでした。それが、だんだん大胆
になって来ちゃいました」と楽しそう。
秋にはきっと、誰のワインが一番おいしいか、議論百出、お祭騒ぎになることでしょう。
(http://www.sapporobeer.jp/wine/winery/katsunuma/index.html)
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酒類メーカーが主催する酒づくり体験型のイベントの事例を五つ見てきました。
ウイスキーのプログラムはその内容はもちろんのこと、蒸溜所の美しさが魅力です。豊かな自然と共生している公園のような工場は、 訪れるものに安らぎを与えてくれます。
酒づくりを短時間で実感したいならビールの体験がお勧め。作業は麦汁をとるところに限定されますが、「自分で造った」という手 応えがあります。
清酒とワインの例は原料栽培に力点が置かれていました。少なくとも年に四日の時間が必要になります。時間はかかりますが、酒が 農作物の加工品であることを体感できます。きっと忘れられない経験になると思います。
そして、こうした観光では事前と事後のお勉強を忘れずに。体験教室のおもしろさが二度、三度味わえます。
取材を通じて、「酒づくりの制限がもう少し何とかならないものか」と感じています。ビールとワインのコースでは、自宅で酒を造 ったら違法であることを念押ししていました。酒づくりは、もともとは味噌やパンを作るのと同様で、生活に溶け込んでいたはずなのに と、誰もが感じることだろうと思います。 |
月刊酒文化 2004年 9月 |
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