旨い普通の日本酒を探せ

友人に誘われて新潟の秘湯「松之山温泉」に行ってきた。
彼は、「中越地震でキャンセルが続出。新潟の観光地がとても厳しい。『とにかく来てくれるのが一番ありがたい』と言うんです。一緒に行きましょう」と言い、続けて、「普通の日本酒のおいしいのを一本もって来てください。安くて旨い雪見酒と行きましょう」と誘うのであった。
「秘湯、豪雪、旨い酒」。なんともそそる。仲間に声をかけると、即座に「行くよ〜」と返事があって、11人が松之山温泉に集った。
持ち寄った「普通の日本酒」は、越乃影虎(新潟)、立山(富山)、刈穂(秋田)、土佐鶴(高知)、月桂冠(京都)など。純米酒や吟醸酒という、堅苦しい酒ではなく、地元でたくさん飲まれているグレードの、ゆる〜く寛げるものばかり。カップで売られていてもおかしくない酒と言えばわかっていただけるだろうか。
はたして「普通の日本酒」は旨かった。旅先で、楽しく飲む酒に理屈はいらない。そして、それに答えられるマジメな酒が、あっちにもこっちにもあるのだ。
旨いカップ酒はそんな酒なのだが、酔っ払いのイメージが強く、カッコいいとは、まったく思われていない。それでも意外にも、6割の人は「カップ酒が好き」だと言う。このへんに、日本酒が復活する「いい感じ」があると思うのである。
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2005年02月03日掲載