エミール・ガレでゴージャスなディナー

「フランスの至宝 エミール・ガレ展」が江戸東京博物館(両国)で開催されている。ガレはアールヌーボーを代表する芸術家で、ガラスや陶器、家具などの生活具でも創造性を発揮した。植物や海藻をモチーフにしたデザインが特徴的で、私は「ほろ酔いのセクシーさ」という印象をもっている。
おっと、調子に乗って評論家みたいなことを言ってしまった。平たく言うと、下心があり気味で彼女を酒に誘って、相手の目の下がほんのり桜色に染まった感じなのだ。こちらもホッコリして、まだまだ話が弾みそうな雰囲気、「もう少し行っても大丈夫かな」なんて、妄想を膨らませているあたりの感じなのだ。
実はガレに向き合ったのは、昨春のこと。そのとき、ガレがデザインしたボトルに入った極上のシャンパンがあることを知った。チリチリと絶え間なく立ち昇る泡はどこまでも繊細で、香りは果実味にヨーグルトのような滑らかな発酵香があった。
まもなくバレンタインデー。だが、義理チョコなんて私の周りでは死語。妻からは結婚してから一度ももらったことがない。開き直って、「チョコなんて欲しかねぇよ。くれるなら酒を」と心の中で叫んでいる次第。
いやいや、冗談じゃなく、彼が酒飲みだったら、バレンタインのプレゼントは酒がいい。なかでもシャンパンはグッド。ただし、酔っ払うのでご用心のこと。

2005年02月10日掲載