モルトにチャレンジ

シングルモルトウイスキーがほんとうに売れてきた。これは、ひとつの蒸溜所で蒸留された、麦芽と水だけからなるウイスキーで、他所の蒸溜所のウイスキーや、麦芽以外の原料からつくるウイスキーを、一切混ぜていないものを指す。よく「こだわりの」という言葉が冠せられる。
6〜7年前から一般の雑誌にも時々登場するようになり、新らしものに敏感な人たちや、「混りっけのない酒しか飲まん」という頑固者が真っ先に飛びついた。
酒の流行は、このような尖がった飲み手の嗜好が、ブームの兆しとして現れるのが常。ただ、最近のウイスキーの低迷を見ると、「十分な力がある酒だ」と思う反面、「まだ時間がだいぶかかりそうだなあ」と考えざるを得なかった。
ところが、先日、ウイスキーメーカーが発表した販売実績は、マッカラン、グレンフィディック、ボウモア、ラフロイグなど、シングルモルトの有力ブランドが軒並み前年を2割以上も上回っていた。価格帯を考えるとボリュームもそこそこあって、上昇への着実な足音が聞こえると言う印象である。
「ウイスキーは飲みにくいよなぁ。何年も口にしてないよ」とおっしゃる方、一度、シングルモルトを試して欲しい。柑橘系の香りや、燻製のような香り、柔らかい甘さなど、他では味わえない、ゴージャスな味わいを楽しめるはずだ。
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2005年02月24日掲載