昨年ニューヨーク・コロンビア大学の近くに、新しいホールフーズ・マーケットがオープンした。ホールフーズは、290店あまりのナチュラル・オーガニック・スーパーを経営するチェーンである。新店の隣にはニューヨーク初のワインショップが併設されたと聞いて、先日のこのこ出かけていった。目的は、ストアブランドのワインをサンプルすることだったが、売り場にたどり着く前に、エンドにきれいに陳列されていた「ハートヒル・ファーム」という聞き慣れないワインに気をとられ、それがあまりにも安いのでついシャルドネとカベルネソービニョンを衝動買いしてしまった。
自宅に持ち帰り2本を飲み比べてみたところ驚いた。舌触りといいコクといい、とても4��99�未離錺ぅ鵑箸六廚┐覆ど奮覆�ある。あまり期待していなかっただけに、無名に近いいいワインを発見した喜びもひとしおだった。早速ネットで調べたものの、カリフォルニア産のワインだという以外に情報がない。とりあえず売切れになる前に手に入れなければと、翌朝慌ててホールフーズまで車を飛ばし、2箱買い込んだ。
後日「ハートヒル」は、ホールフーズの独占特約ブランドだということがわかった。8年前、競合スーパーのトレーダー・ジョーズが、「2�砲離船礇奪�」と呼ばれる特約銘柄を売り出したときには、床から積上げられた何十箱ものワインケースが、毎朝開店後30分もたたないうちに売り切れているというニュースを聞き戦慄を覚えた。今回はあれほどのインパクトはなかったものの、スーパーマーケットが5�砲旅睇兵船好肇▲屮薀鵐鼻Ε錺ぅ鵑鯒笋觧�代が訪れたのかと感慨深いものがあった。
思えば今年は、新規ストアブランドが次から次へと誕生した年だった。まずウォルマート傘下のサムズクラブが、コストコの人気ブランド「カークランド・シグニチャー・ウォッカ」に対抗する仏産プレミアム・ウォッカ「リュ33」（1.75ℓ28�法砲鯒笋蟒个靴拭�
続いてセブンイレブンが、ナショナルブランド・ビールの値上げに乗じて手頃な価格の「ゲームデイ」を新発売。アイスとライトビールがあり、350ml缶の12本パックが6��99�未�ら8��99�未杷笋蕕譴討い襦�NBの6本パックは平均5��99�漫法�昨年同社は、「ヨセミテ・ロード」という3��99�未離好肇▲屮薀鵐鼻Ε錺ぅ鵑鯒笋蟒个掘�関係者の予想に反して、ワイン売上げでチェーン�癸院淵轡礇襯疋諭砲鉢�2（カベルネ）の実績を上げた。
ストアブランド・ワインといえば、ウォルマートも2年前に「オーク・リーフ」というカリフォルニア・ワインを発売している。価格は2��97�漫Ｃ楼茲砲茲辰討�1��97�未杷笋辰討い訶垢發△襦Ｆ吋錺ぅ鵑蓮�一昨年のフロリダ州ワイン品評会で金賞と銅賞を受賞している。
今年目立ったのは、英テスコが西海岸で展開する小型業態フレッシュ＆イージーの動きだ。今春オランダ産ピルスナー・ビール「ダッチ・リパブリック1581」を、続いて夏に「ワンホープ」というワインを売り出し、収益の半分を米国森林協会に寄付すると宣言した。これらのストアブランドを押し上げたのは、長引く不況とビールの値上げだ。価格だけではビールのブランド忠誠心は突き崩せないが、そこに品質が加われば伝説が崩れる可能性もある。今後の行方を注目したい。
（たんのあけみ：ニューヨーク在住）
