盛り上がる酒を選んで花見酒

 春といえば花見。海外では見られない日本オリジナルの催しで、アウトドアで陽気な宴会があちらこちらで繰り広げられる。今回は花見のときに飲みたいお酒を取りあげた。
 「今年は花見宴会をおこなう予定ですか」と聞いたところ、「YES」が59%で半数を超えた。女性より男性、年代別では高年代層ほど花見宴会をおこなう比率が高くなり、60代以上では69%がおこなう予定(図表1)。ちなみに、「昨年は花見宴会をされましたか」と質問したところ、「例年通りにおこなった」は35%、「自粛した」36%、「もともとしていない」29%であった(図表2)。今年は昨年のほぼ2倍の人が花見宴会を催す。
 花見で飲みたいと思うものを選んでもらったところ、「ビール類」と「日本酒」が群を抜き、「チューハイ・カクテル」、「焼酎」、「ワイン」は2割〜3割、「ノンアルコールビール」は16%であった(図表3)。
 花見で飲みたいと思う酒類の選択理由を自由記述してもらった。基本的には「好き(だから)」(27%)なのだが、花見宴会ゆえに選ぶ理由もちらほら。
 そして、「普段は発泡酒や第三のビールばかりなので、お花見の時は少し贅沢に本物のビールで乾杯します」(女性20代)、「みんなでいろいろ飲めたら楽しいから」(女性30代)、「メンバーが、自慢の一本を持ち寄る」(女性40代)、「ゲストの好みにもよるが、まずビールかシャンパンで乾杯して気持ちを高揚させてから、料理に合わせて日本酒かワイン。夫はいつも焼酎のウーロン茶割りですが」(女性60代)と、大勢集まる宴を盛り上げようとする気持ちが見え隠れする。

●ビールはハレ 乾杯の後いつもの酒へ
 ビールの飲用理由に多いのは「乾杯はビール」。その後すぐにふだん飲み慣れた酒に移るのが、花見宴会の代表的なシーン。
「何といっても『乾杯!』はビールです。まずは焼き鳥・焼きそば・乾きもので、昼間に飲むビールを堪能します。いい気分になった頃、日本酒へ突入します。燗酒があれば、熱燗を飲みます。やっぱり日本の風物詩『花見』に日本酒は欠かせません。花にゆかりの銘柄なら、なお良しですね。出羽桜・櫻正宗・庭のうぐいす等」(男性40代)
「毎年のことですが、最初はやはりビールでスタートして、用意したポットで途中から焼酎のお湯割りを飲みます」(女性50代)
「まずビール、日本酒で景気をつけて、焼酎でしめます」(男性50代)

●手軽さ 気軽さ 飲みすぎ予防に 低アル缶もの
 ビールやチューハイ・カクテルは、「手軽」、「ほどよく酔える」という理由が多い。
「散歩しながら桜を眺め、ちょっと飲むくらいなので、歩きながら飲める缶ビールがちょうどいい。瓶は捨てるにも困る」(男性40代)
「手軽だから。飲んだ後のゴミの始末がしやすい。コップを用意する必要がない」(女性50代)
「チューハイは手軽で女性に好まれる」(男性20代)
「ほどよく酔えるものがいいと思うので。昼間からベロベロにはなれないから」(女性30代)
「飲みやすく適度なアルコール量」(男性40代)
「軽いタッチで、たくさん飲めるから」(女性30代)

●トイレが近くならないから日本酒
 日本酒は「花見に合う」という意見が多いのだが、
「寒いので温まる」や「トイレが近くならない」という明確な理由で選ぶ人もいる。
「夜はまだちょっと肌寒いので、日本酒は体が温まっていい」(女性50代)
「ビールも大好きなのですが、女性だとトイレが気になります。お花見の時には普段飲まないようなおいしい冷酒を持って、ゆっくり飲みます。昼の桜も夜桜も日本酒は盛りたててくれます」(女性20代)
●温まるのが焼酎 オシャレなのはワイン
 焼酎も「焼酎はゆったりした気分になるし、温まるから」(男性40代)、「お湯割りできるもの」(男性40代)など温まるのがポイントのひとつ。ワインは「花見に合う」おしゃれさが一番の理由で、色合いが花見のイメージに合うからという声が多い。
「桜の雰囲気に合うロゼワイン」(男性50代)
「ワインは色がきれいで景色と合う」(女性30代)
「まだ肌寒い。ワインはホットでもOK」(女性40代)
「手軽な料理に合うワインを用意して、おしゃれでスマートな花見の宴を楽しみたい」(女性50代)

●運転手はもちろん しなくてもノンアルコール
 ノンアルコールビールは「運転するから飲めない」が最大の理由で、飲めなくても宴会気分を味わいたいというニーズに応えている。
「本当はカクテルやチューハイを飲みたいが、花見ができるところまでは私が運転して行くことになるのでノンアルコールになる」(女性20代)
「昼間のアルコールはよくまわるので、後の事が何もできなくなるから」(女性40代)
「お酒に強くないので、ノンアルコールも欲しいです」(女性30代)               ■

2012年02月実施