■メードインジャパンの酒

 日本の酒はこれから国際化が大きなテーマとなる。そう考える理由は、国内の消費が頭打ちになっているため海外に市場を求める圧力が強くなることと、国際交流がどんどん活発になって国内市場でも外国人向けのコミュニケーションが不可欠になってくるからだ。
 酒類は輸入が輸出を大幅に上回っている。2002年の日本からの輸出は58234KL。ビールが7割を占めており、日本オリジナルの清酒や焼酎はわずか15%だ。一方、輸入は377996KLと輸出の6.5倍もある。
 ある清酒の蔵元から「台湾ではウイスキーの関税がゼロなのに、清酒は40%近い」と聞いた。調べて見るとそのとおりで、ウイスキーの関税がゼロなのは、スコッチをもつイギリスがウイスキーを関税交渉のテーブルにのせたから。清酒は、日本が交渉していないことや、中国から紹興酒などの流入を防ぐ意図もあって米を原料とする酒に高関税をかけている、そのとばっちりを受けているということらしい。
 日本でつくられる酒はどれも世界のトップクラスの品質だ。ウイスキーでは昨年、サントリー山崎12年がイギリスのコンクールで金賞を受賞したことは記憶に新しい。ビールも大手4社の技術はすべて世界のベスト10に入ると言われる。ワインでも欧州のコンクールで高い評価を受けるものが続出している。品質が高いのだから、あとはコミュニケーション開発と輸出インフラの整備だ。酒で、「メードインジャパン」がブランドになるよう、おおいに期待したい。

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2004年01月08日掲載