■ひとり暮らしのスパークリングワイン

 単身者の6割が自宅で夕食を取っているという話を聞いて、なるほどと思った。
 20年前、独身時代にひとりで住んでいたときは、家に帰る理由がなくて、毎日、終電まで仕事か飲んだくれるかしていた。けれど、40歳をすぎた今、ひとり暮らしをしたら、かなり自宅で夕食をとるような気がする。外で食べる方が億劫な気がするからだ。ひとりで夕食をとるのに手頃な店が多くないうえ、けっこう飲むから3000円はかかってしまう。客どおしで話したり、店の人と話すもの面倒くさい。
 弁当や惣菜を買い込んで好きな酒を飲む、誰に気兼ねしない食事。先に風呂にはいって、パジャマになって、食べたら寝るだけの夕餉。とっても心地いいではないか。嫌でも外で飲む機会はあるのだから、何もなければこのくらいでちょうどいい。弁当も惣菜も酒も、売っている店はたくさんある。
 ひとつ、困るとしたらスパークリングワインである。これは飲み残すに抵抗があり、といって、ひとりで1本飲むのはしんどい。専門店に行けば、小さいサイズもあるのだけれど、わざわざ買いに行くというほどでもない。店でぱっと見て、たまにはこれかなという感じ。
 と、ここまで書いてきて思った。「ンッ、これってワイン系のチューハイか」と。そうか、あれを買えばいいのだと納得。これでひとり暮らしで外で食べる理由がまたなくなった。

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2004年06月25日掲載