■若い女性はやっぱりワイン好き

 結婚年齢が高くなってひとり暮らしの若者が増えているという。今はコンビニやワンルームマンションと、快適なシングルライフをおくるためのインフラも整っているから、それほど困ることがない。それにひとりだと気楽なうえにお小遣いがたっぷりある。旅行や食事でも出費は自分の分だけ、家族4人分をひとつの財布でまかなうのとは訳が違う。
 それなら消費意欲が旺盛なひとり暮らしの家計も調べなきゃいかんと、数年前に総務省が家計調査をはじめた。ひとり暮らしのモニターに、何を、いくつ、いくらで買ったかを細かく記入させ、それを集計して消費実態を浮かび上がらせようというのである。
 2002年の報告書で、酒の項を見て驚いた。34歳以下の女性のひとり暮らし世帯では、自宅用の酒代の25%を、なんとワインが占めていたのだ。ワインの割合が高いとは思っていたが、ここまでとは! 一般的な世帯ではワインは酒代の5%ほどだから、その5倍もあることになる。ちなみにふつう半分を超えるビール・発泡酒は41%と低く、チューハイや梅酒が含まれる「他の酒」が13%と際立って高い。
 若い女性が好む酒はかなり高い確率で、長期的に消費が伸びていく。「カッコよさ」に敏感な彼女たちが消費をリードする傾向はたしかに強く、女性が入る飲み屋には自然と男性も集まる。イメージだけでなくて、実際の消費も増えるのだ。
 こんなデータを見ると、一時ほどではなくなったワイン人気も、近い将来また盛り返すなあと思ええてくる。

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2004年01月29日掲載