■さらば荒れる成人式

 ここ数年、この時期はすっきり晴れやかな気分が続かない。原因ははっきりしていて、恒例の「荒れる成人式」の映像が目に耳に否応なく飛び込んでくるからだ。ごく一部の新成人が幼稚な欲望をむき出しにしてしまうのには、心が痛む。そして、たいてい酒が小道具に使われる。「(成人だ)誰も文句はねえだろう」とばかりに酒を呷る姿を見るのは辛い。
 それで、どうしてこんなになってしまったんだろうと考えることになる。そのうち、あのまま社会人になり、親になってしまうなら、彼らに近づきたくないという不敵な思いが頭をもたげてしまう。ご近所だったり、子供と同じ学校だったりした時の消耗を想像してしまうのだ。
 若手の会社員と管理職では飲み会に対する意識がずいぶん違うという。若い社員の6割は40歳以上の管理職との飲み会に参加したくないと考えており、反対に管理職の6割は若手との飲み会に参加したいと考えているそうだ。年齢や立場による気持ちのズレはこんなものだろうと思う。むしろ、若手社員の4割が年上の管理職との飲み会を拒んでいないことに期待したい。
 成人式を荒らす若者をわかろうとも、許そうとも思わない。けれども彼らの世代といっしょに酒を飲むくらいの接点はまだ失われていないのだ。そこから対話の糸口を見つけて、社会的な振る舞い方を考えさせなければならない。

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2004年02月05日掲載