■酒飲みの健康意識

 コンビニに入って驚いた。冷蔵庫の一段が、ぜんぶフラバン茶(サントリー)なのである。30坪ほどの店舗に数千の商品を並べるコンビニでは、1品並べてもらうだけでもたいへんなこと。棚一段を占拠するというのはただごとではない。しかも超激戦の冷蔵庫だ。
 お茶飲料が伸張著しいことは知っている。健康にいい商品が人気なのも実感している。けれども、これほどとは思っていなかった。しかも、値段を見ると350mlで160円。安いどころか普通のお茶より三割近く高い。
 友達に話すと、勝ち誇ったように(今ごろ気がついたかって感じ)「俺はとっくにそれにしてるよ」と言う。1本で1日のビタミンCの摂取量がまかなえるとか、生活習慣病の予防効果があるとか、やたらに詳しい。そして、晩酌は焼酎をそれで割っていると胸をはった。
 だが、フラバン茶には「1日1本の摂取量を守ってください」と書かれている。酒豪の彼がそれで済む程度の焼酎で満足するはずがない。「おまえ1日にフラバン茶を2〜3本飲んでるだろう」と突っ込むと、「酒量も抑えられるから1本で止めることにしたのだ」と返してきた。
 いぶかしく思ったが、彼がグラスにたっぷり焼酎を注ぎ、ほんの少しウーロン茶を入れるのを見て、これなら1本で十分と合点がいったのであった。酒飲みの健康意識とはかようなものなのだ。

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2004年03月25日掲載