■外国人には「グルメ」が人気

 初めての国を旅行する時、必ず市場に行くという人は多い。私もたいていの名所旧跡よりも、市場の方が断然おもしろいと考えている。たくさんの店に並ぶさまざまな商品を見るもの楽しいし、気に入れば買物もできる。そこにその土地のふだんの生活がかいま見え、目新しい食材や料理に触れることができる。当然、うまそうな酒も並んでいる。異国を訪ねる最大の楽しみのひとつは、「そこならではの旨い料理と酒」を堪能することなのだ。
 どうやらこれは外国人も同じらしい。「海外からの日本への旅行者に何を見るようにアドバイスするか?」という問いに、在日外国人の多くが「祭りなどの季節行事」「食べもの」「地方の観光地」をあげたという。「そりゃそうだろう」とうなずく人がたくさんいることだろう。
 だから、日本の酒づくりの現場に外国からの旅行者を案内することをお奨めしたい。そこには観光地としての日本の魅力アップの鍵がふんだんにある。酒の原料を見せれば農業に、技術に語れば工業や職人に、味わいを体験させれば食文化に、際限なく話題は広がっていく。そのうえ酒はわかりやすく、「おいしい」「まずい」は誰でも言える。
 「エッ!!、まだ酒造工場へ行ったことがない」って。それでは今週末、あなた自身が下見にお出かけを。ただし、試飲するなら車での訪問は避けるべし。

20040219.gif

2004年02月19日掲載