■焼酎の1割占める韓国焼酎

 芋焼酎が猛烈なブームだ。各地で品薄状態となり、一部の人気銘柄は希望小売価格の数倍もの値段で奪い合い。鹿児島や宮崎の芋焼酎メーカーはフル稼働しても追いつかない。なによりも原料の芋が足りない。芋焼酎はほとんどを地元から調達していたから、需要が急増してもそうそう増産できない。増産は芋の作付け拡大から始めなければならないのである。
 芋焼酎と並んで着々と存在感を高めてきたのが韓国焼酎。すでに国内の焼酎消費量の1割近くに達している。成長商品だけに競争も激烈。昨年はほぼ5割シェアをもつ「眞露」に、サントリーが販売する「鏡月」が天然水で仕込んだ素材感をアピールして肉薄。このままの勢いが続くと、今年は逆転するという予想もある。
 韓国焼酎は日本の焼酎と比べると甘いマイルドな口当たりが特徴だ。そのせいかお湯割で飲む人はあまり見かけない。サラッと飲める水割りか、ウーロン茶割が主流。焼肉屋やコリアンパブから人気に火がついたが、今では和風の居酒屋や焼き鳥屋などほんとうに身近なところに並んでいる。とうぜん、スーパーやお酒屋さんの店頭でも普通に売られている。
 日本では焼肉とキムチが韓国・朝鮮の食として広く普及している。けれども、韓国焼酎の浸透度はそれに勝るとも劣らない。日本の市場での、国産の焼酎とのせめぎ合いにぜひ注目して欲しい。

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2004年02月25日掲載