台湾で日本酒に熱い視線

いやあ、日本酒が台湾であんなに期待されているとは驚いた。日本酒が注目されつつあるとは聞いていたけれど、台湾の最高級ホテル「フォルモサ・リージェント」が、メインホールに酒樽のピラミッドをつくるほどとは思っていなかった(写真)。
このイベントに合わせて日本酒の蔵元10社が訪台。私も随行させてもらった。ホテル側は直営の和食ダイニング「WASABI」で、コース料理のひと品ごとに1杯の日本酒を付けて提供するメニューを開発。料理ごとにタイプの異なる日本酒が楽しめる仕掛けだ。日本酒でもワインのように料理と酒の相性をずいぶん言うようになったが、ここまで徹底したものは日本では見られない。まだ、料理に合わせて日本酒を自在に推奨するサービスができないから、簡略なパッケージにしたのだろうが、あまり日本酒を飲んだことのない人が親しむには上手なやり方だと思う。
地元のマスコミの受けもなかなかよかった。このコース料理を試食し、蔵元に日本酒について熱心に質問していた。
日本酒は国内では長期低迷が続く。50年前にはビールの消費量と拮抗していたは思えないほどだ。案外、反転上昇のきっかけは海外にあるのかもしれない。台湾、アメリカ、香港などで、その兆しは見られる。将来、シャンパンや高級ワインと横並びで日本酒が選ばれるシーンが登場することを願う。
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2004年08月05日掲載