ギリシャの曲者ウゾ

アテネオリンピックの熱戦の真っ只中。この機会を逃せば、ここでギリシャのこの酒を取り上げることはまずないだろう。そう、ギリシア名物のウゾである。
ウゾはアルコール度数の高い蒸留酒。口に含むとハッカのような独特の青臭い香りがある。味は粘度と独特の甘みを感じ、飲み込んだ後もクセのある余韻が長く残る。2〜3日はこの味が口の中や鼻腔にこびりついてしまうと言う人もいるほどだ。
こう書くと「うわぁ、飲みにくそう」とお感じになるだろうが、そのとおりなかなかの曲者である。ただし、この種の酒の例に漏れず、飲み慣れるとハマってしまう。
見た目は焼酎やウオッカのように無色透明。それが、水を加えるとサッと白濁する。これはトルコのラキやフランスのペルノなど、アニス系のリキュールの特徴で、ウゾももちろんその仲間。目の前で色が変わるのはおもしろく、デートや合コンで見せるとちょっと盛り上がる。ただし、アルコール度数が高いから、気をつけないと轟沈してしまうから要注意。
現地での飲み方は水割りが多い。食前にウゾを水割りでキュッとやる。白濁しているし、薬っぽい味だから、飲む前に液状の胃薬を放り込んだような気分になる。
今年の輸入量(1〜4月)を見ると前年比84%と低調。この愛すべき曲者は時流に流されるほど軟(やわ)ではないということだろう。
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2004年08月20日掲載