カクテルの未来を覗く

今年もサントリーカクテルコンペティッション2004が開催された。全国の2000名近いバーマンたちの新作カクテルのなかから、今年のベストを決めるコンペだ。
全部門を通じての最高賞である「カクテルアワード2004」には「Nirai Kanai〜神の棲む美ら島」が選ばれた。マカディアをベースにしたショートカクテルで、ブルーな色合いと泡盛を使った沖縄をイメージしたカクテルである。考案したのはリーガロイヤルホテルのバーウーマン馬場由美子さん。過去7回の落選を乗り越えてのグランプリということで表彰のときには感極まっていた。
華やかに見えるバーマンの仕事は、実は下ごしらえに大半の時間を割く。店の清掃、ボトル拭き、グラス磨き、氷やジュースの準備など、午後2時ごろに店に入って、開店までの数時間てきぱきと手際よく進めていく。もたもたしていると間に合わないし、ここで手抜きをしているバーは高いレベルでは長く続かない。だから、開店の4時間前に電話をして通じる店ならば、たいていハズレはないとも言える。
店を閉めた後、深夜におこなわれる新作の創作やカクテルづくりの技術練習は、バーマンたちの大きな負担になる。ただ、しっかりやれば確実に成果はあらわれ、店はどんどんよくなっていく。
カクテルコンペは、バーマンたちが技術や創作力を磨く機会となっているという意味でも功績は大きいのである。

2004年11月04日掲載