ホビーとしての酒売場

ここ数年間に酒の小売免許の規制緩和が一気に進んでいる。スーパーやコンビニエンスストアに酒を置く店が増えたとお感じならば、それはこの規制緩和の結果だ。
新しい酒売り場がたくさん出てきているから競走も激しくなって、品揃えや売り方に工夫を凝らした店が増えている。100円の発泡酒やチューハイだけをちょっとだけ扱う100円ショップ。宅配ピザの店にはビールを出前するところも出てきたし、ドラッグストアやホームセンターはまとめ買いのできるものをケースで安く売っている。
そんな中で特に注目しているのがビックカメラの酒売り場だ。ビックカメラの店は基本的に駅周辺にあるから、重くかさばるビールのケース売りや大きなサイズの焼酎の特売はあまり意味がない。充実させたのは全国各地の日本酒と焼酎、世界の最高レベルのウイスキーやワイン、ラムやジン、そしてさまざまリキュールだ。その数はなんと5000種類。
品数が多いだけならこれまでにも郊外の酒量販店や個人専門店があった。ビックカメラに注目しているのは、同じフロアーに集めた他の商品との組み合わせだ。池袋本店の酒売り場は7階にあるのだが、玩具売り場と隣りあっていて、お客はガンダムのフィギュアやラジコンなど大人にもファンの多いコーナーを通って酒売り場に入ってくる。まさに趣味の酒売り場という感じで、酒のおもしろさを膨らませてくれそうな気配が濃厚なのだ。来週のボジョレーヌーボー解禁の機会にぜひ足を運んでみて欲しい。
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2004年11月12日掲載