今年もヌーボー解禁

今日、ボジョレーヌーボーが解禁となった。あちこちでカウントダウン・試飲イベントが催されたから、「もう飲んだよ」という読者もいらっしゃることだろう。昨年は100年に一度の出来と言われ過去最高の出荷量を記録した。今年も専門家の前評判は上々で、大いに期待できそう。輸入販売する各社は、強気に記録の更新を狙っている。
値段は一般的もので2000円前後だが、どうせならもう1000円〜2000円プラスして、ひとつ上のクラスのヌーボーを楽しんでみてはどうだろうか。「フレッシュで軽い飲み口のヌーボーは、グレードが上でも味はそんなに変わらない」というのは間違い。どんな酒も良質な原料をどこまで選別するか、それをどれだけ丁寧に管理するかで、味がまったく変わってくる。ヌーボーも例外ではない。
グレードの高いものは全体のバランスがよく、香りや味わいに不自然な感じがない。「そんなものはわずかな違いだよ」と捨ててしまえばそれまでだが、酒や食品や料理で、そう言ってしまっては元も子もない。美食だとか、こだわりだとかは、みんな無くなってしまう。良質な原料を供給しようとする生産者も、細心の注意を払っていいものを作ろうとする製造者もいなくなる。当然、その国の味覚レベルは低下していく。
ぜひ、今年は一段上のヌーボーをお試しいただきたい。
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2004年11月18日掲載