イタリアはやっぱり食いしん坊の国だった

10月にイタリアで開催されたサローネ・デル・グーストに行ってきた。これはスローフード協会が2年に一度開催する最大のイベント。スローフード運動の、丁寧につくられた伝統的な食品をゆっくり楽しもうという提案は世界中に広がって、いまや会員数はおよそ八万人、日本でも2200人を数える盛況ぶりだ(ニッポン東京スローフード協会資料より)。
「丁寧につくられた伝統的な酒をゆっくり楽しもう」という主張には大賛成。ただ、日本での紹介のされ方が、ちょっと理屈っぽすぎる印象があったので、どんなものか確かめてやろうという気持ちで出かけた。
体育館のようなメイン会場には、チーズ・ハム・オリーブオイル・ワイン・野菜などイタリア産の食材がふんだんに並んでいた。自慢の食材を前に、生産農家や加工業者が威勢のいい声で試食を勧める。ワインをあちこちで試飲していくと、ほろ酔い気分になって、思わずチーズを買ってしまった。だって、日本では高価な3年物のパルメジャーノ・レジャーノが、1キロ1300円なんだもの。
この日は、試食をし過ぎてお腹が減らず、夕食はホテルの部屋で済ませた。地元で人気のバルベラ(産地名)のワインを飲みながら、「やっぱりイタリアは食いしん坊だなあ。いろいろ理屈をこねても、旨いものをたっぷり食おうぜってのが本音だよなあ」と思ったのであった。supo20041201.jpgチーズを並べる生産者。チーズは出展がもっとも多い食品のひとつだ

2004年12月02日掲載