お酒を飲むときに「健康を気にかける」は七八%

 一二月から正月にかけては、ふだんあまりお酒を飲まない人も飲む機会が多くなるシーズンです。よく飲む人にとっては楽しいけれど飲み過ぎに注意する季節ですし、あまり飲めない人にとっては、気をつけなければと、気を引き締める時期でしょう。そのような意識の高まっているタイミングを狙って実施したせいか、ふだんよりも大勢の方にご回答いただけました。
 さて結果です。「お酒を飲むときに健康のことを気にしていますか」という問いかけに対して、全体の七八%の方が「気にしている」と答えています。意外なことですが性別にはほとんど差が見られませんでした。年齢別には、五〇代が八〇%、六〇代以上が八五%と年齢が上がるほど高くなっているのですが、真ん中の四〇代が七五%と一番低かったのはちょっと意外でした。
 また、飲酒頻度別に見ると、「週三〜四日」という中間層が八四%と少し高くなり、「週一回未満」が七〇%と低くなりました。
 ところで、「お酒を飲むときに心がけている健康のこと」の内容は、実際にはどのようなことが多いのでしょうか。お酒を飲むときに心がけていることをフリーアンサーでご回答いただきました。多くあげられたのは「飲み過ぎ・二日酔い防止を心がけること」「カロリーを摂りすぎないように注意」「深夜の飲酒を控える」の三つでした。これからは、翌日の体調に悪影響を与えないように飲むということと、太らないように気をつけることの二点が公約数的な健康意識であることが読みとれます。
 一方、「塩分を控える」「アルコールの習慣性に注意する」「糖尿病・痛風などにならないように気を配る」など、直接的に病気にならないように気を配るという意識はあまり見受けられませんでした。しばしば健康によいかどうかが商品の選択を大きく左右すると言われます。けれども酒飲みは言われるほど健康問題を意識していないというのが実態かもしれません。
【マスターTの感想】
 「酒飲みは酔っているときと素面のときと人生を二倍楽しむことができる」というのは、酒と健康についての著書も多くワイン通で知られる松木康夫博士の言葉です。確かに酒を飲んで精神を解放したときと飲まないときでは、その感覚は大きく変わるのは事実でしょう。だから、昔から多くの人々が酒を飲み、酒を愛してきたのです。
 酒を永く楽しむためには、身体と相談しながら少なくとも健康を害さないように酒を飲むことが、最低限守る必要のあること。しかし、なかなかそこまで意識が回らないのが実際です。
 習慣的な過度の飲酒が健康を損ねるということは、多くの人が認識して、それを防止することはずいぶんと進んだようですが、瞬間的な飲み過ぎは、若年層を中心に増えているようです。今回の回答者にはその傾向はありませんでしたが、若年層の急性アルコール中毒による救急車の出動回数は過去一〇年でかなり増加しています。若い世代にもお酒の健康的な飲み方を意図的に伝えていくことの必要性が、今後はクローズアップされてきそうです。(マスターT)
【「気にかける」理由】
飲みすぎないように注意すること。途中で水やウーロン茶などを飲んで休憩をいれる(コム:男性・二〇代)
お酒はワインも焼酎も日本酒も体に良いですよね。注意すべきはお酒ではなく、おつまみ!(くま蔵っち:女性・二〇代)
独り暮らしにとっては、飲み会の席はめったにない食生活の調整場であると同時にダイエットの敵。でも、食べなきゃ! ということで大抵飲むのはウイスキーのシングルです(りんご:女性・二〇代)
かなり量を飲むほうなので最近気を使い始めました。春ウコンを飲む、水(チェイサー)を飲む等です(キャマラード:男性・三〇代)
一緒に食べるものをさっぱりした和食にしている。あとはフルーツをとること(KENT:男性・三〇代)
あともう一本飲みたいなぁというところで我慢する。一番気になるのはカロリー。ビール党なので、カロリーがビールより低くて、ビールの「代わり」ではなく、「飲みたくて」飲むほかのお酒を探しています(じゅじゅとりな:女性・三〇代)
一気飲みしない。終電には乗ること(ぬうさん:男性・四〇代)
がぶ飲みをしない。焼酎のときはお湯をたくさん入れて原酒を薄めるようにして、ゆっくり飲む(かじ:男性・四〇代)
良質のたんぱく質を中心に、食べ物と一緒にお酒を楽しむ(水原勇気:男性・四〇代)
飲んだ後は水分補給を十分にする(くま:男性・五〇代)
定量を守る。食べながら飲む。午後一〇時を過ぎてからは飲まないこと(のりたん:男性・六〇代以上)
【「気にかけない」理由】
好きな酒を旨く飲もうと心がける。また体にも良ければいう事なしなのだろうが、体を気にするくらいなら飲むな! 酒とたばこ位にはそういう部分もあるのだろう。酒は百薬の長ともいうから気持ちの問題だけで十分だと思う(DI:男性・二〇代)
二日酔いにはならないように気をつけているがなってしまうことが度々です。今さらながら防止策を知りたいです(ぶーたん:女性・三〇代)
好きなので仕方ないですね。特に気になる事はありません(はむちゃん:女性・三〇代)
飲み過ぎないようにと時々おもいますが、飲みはじめるとなかなかどうして、そういうことは忘れてしまうものです(toshi-i:男性・四〇代)
普段から血糖値や血圧のことでうるさく言われているので、酒を飲むときは健康のことを気にせず、楽しく飲むようにしています(なにわの隠居:男性・五〇代) ■

2005年12月実施