販売規制強化に賛成の人は六二%

 いよいよ九月から酒類販売への参入規制がなくなります。激変緩和措置で残っていた一部地域での制限も八月末で期限が切れました。今後は、スーパーマーケットやCVSは、ほぼもれなく酒類を扱うことになります。
 その一方で、諸外国に比べると販売規制はまだ途についたばかり。販売ライセンスの緩和が進んだのですから、次は未成年への販売などそちらのルールの厳格化が進むことと思います。
 実際に未成年へ酒類を販売したことで販売店や飲食店側が処分されたという事例はほとんどありません。先日の卒業式後の野球部員の飲酒による選抜高校野球の出場辞退などは、現実と建前のギャップが露呈した典型的な事例です。
 回答者四七五名中、販売規制の強化に賛成の人は六二%でした。性別では、男性が六〇%、女性が六七%でした。年齢別には、二〇代が六一%、三〇代が六六%、四〇代が六五%で、五〇代だけが五二%とやや低く、六〇代以上が六六%となっています。
 飲酒頻度別ではほとんど毎日の人は五八%と低くなっています。
【マスターTの感想】
 酒類を買える店が増えることにはほとんどの人が賛成のようですが、未成年でも平気で酒が買える状態には、大なり小なり問題有りと感じているというのが現状でした。しかし一部にあるように、未成年飲酒防止の問題と販売規制は別次元ではないかというのは確かに正論です。ただ、それがほとんど期待できないから販売接点に規制を設けてはということになっているのだと思います。
 家庭の教育・個人のモラル、そのようなものを高めていく努力なしに、酒へのアクセスポイントである酒販店にだけ責任を押しつけるというのは、酷な話です。特にグレーゾーンである一八歳、一九歳の扱いには本音と建て前が遊離しているように思えます。
 また、多くの方がタバコと並べて、いまだに酒類も自販機でIDなしに買えると思いこんでいることにも驚きました。東京では酒の自販機はとても少なくなりました。残っているところでも免許証などIDカード無しには買えない機種になっています。小売免許の自由化に対して反対の声がとても少ないことの一端には、このような実態をきちんと広報できていない業界側の体質にも問題があるのかもしれません。
【「YES」の感想や意見】
新入生歓迎コンパとか明らかに未成年なのに、誰も何も言わないのはどう考えてもおかしいですね(ろんろん:女性・二〇代)
お酒はあくまで嗜好品なので、どこでも買えるようにするのは、デメリットはあってもメリットはない。そこまでして手に入れるべきものではない(みかぽん:女性・三〇代)
どこで売るかよりも、どう売るかをもっと議論してほしい。二〇歳未満は飲酒禁止の法律なのに、大学生は飲んでよい風潮がある。もっと国民全体として規律を重んじなければならない(えなりくん:男性・三〇代)
消費者の立場から言えば、店が増えたほうが価格やサービスの向上につながり歓迎です。未成年者の飲酒防止には、疑わしい場合は身分証の提示を求める、二四時間営業店では酒類の販売時間を制限する等し、悪質な店は営業停止、免許取消等の処分を科せばよい(G:男性・四〇代)
自動販売機やコンビニで簡単にお酒類が買える。未成年者規制があっても手に入るのが現実です。もっと厳しく規制するべきと思っていました。対面販売で購入者のチェックをしっかりするのが理想ですが、ここまで自由だと確かに難しいでしょうね(むっちゃん:女性・五〇代)
アメリカの映画で袋に入れてお酒を飲んでいるシーンがありますが、そこまで規制、特に青少年飲酒に厳しいのです。但し、家庭内では緩やかです(Small Boat:男性・五〇代)
未成年者への飲酒助長、交通事故、犯罪防止等規制は必要。単に利便性のみでの規制緩和には反対です(ヒロクン:男性・六〇代以上)
【「NO」の感想や意見】
親の責任の下、未成年でも飲みたいなら飲めばよいと思います(カネゴン:女性・二〇代)
規制が緩和されれば、価格面やサービスの向上になり消費者にとってはいいことだと思う。未成年者飲酒やアルコール依存症といった問題は家庭や個人で自覚すればよいことで規制緩和とは関係がない(おとよちゃん:女性・三〇代)
販売規制しても買う方法はいくらでもある。大人が不便になるだけ。それより大人になるまで飲まない教育が大事(近江のお姫:女性・四〇代)
規制は緩和すべきです。未成年の飲酒に対しては保護者に罰を与えるべき。酒タバコに対しては高税がかけられているので、その上、販売規制をすることは産業の統制でしかない(りゅうせい:男性・四〇代)
今までの酒屋さんは規制に守られて、努力を怠ってきたツケが貯まり、ディスカウントストアの攻勢に対して衰退しているのでしょう。そのような中でも意欲のある酒屋さんは独自性を出しながら必死で頑張っており、見事に顧客を掴んでいます。意欲のある人なら誰でも競争に参加できる状況が大切です(ひろさん:男性・四〇代)
タバコも酒も自動販売機を完全に撤去しない限り、規制は無理。しかしそんなことは現実として出来ないと思う(みずお:男性・五〇代)
未成年飲酒の禁止に国民の合意が形成されているとは思えない。であるならば、根本的な課題は教育であって規制ではない。アル中も社会的不適合の一種としてみるべきで、酒を規制しても麻薬やギャンブルなど他の依存性事象が増えるだけと思う(鉄ちゃん:男性・六〇代以上) ■

2006年07月実施