日本酒マニアは新しもの好き?

 日本酒の蔵元は免許上では約二〇〇〇、実際に醸造しているとこでも一四〇〇社以上あると言われています。マニアには、飲んだことのない銘柄でおいしいものを探すことに重きを置いている人も少なくありません。今回の回答者でも三四%が、今年になってから飲んだことのなかった銘柄を試したと答えています。
 男女別では男性三八%、女性二九%と約一〇%の開きがありました。飲酒頻度別に見ると週に三日以上の飲酒者になると四〇〜四四%となりますが、週二日以下になると二一〜二五%と低くなります。年齢別ではそこまで顕著な差にはなりません。未体験の銘柄を飲む層は、男性で週に三日以上お酒を飲むというミドルクラス以上のドリンカーに多いと言えそうです。
【マスターTの感想】
 やはりと言ってはなんですが、初めて飲んだということで名前の挙がった銘柄は、バラエティに富んでおりました。私も飲んだことのないお酒も多く、嗜好品として選ぶときの日本酒の奥行きの広さを感じずにはいられません。また、調査時期の影響もあるかもしれませんが、父の日などプレゼントでもらいはじめて飲んだという話も多く、依然として新しい出会いに贈答市場は大きな可能性があると思いました。
 YESと答えた方の中で具体的に書かれたお酒の名前は全部で七一もありましたが、あまり重複しておりません。ちなみに二名以上の方から名前が上がったのは、「一ノ蔵」(すず音、ひめぜんほか)「越乃寒梅」「久保田」(萬寿・紅寿ほか)「八海山」「浦霞」(禅ほか)「蓬莱泉 空」「菊水」「十四代本丸」「田酒」「黒龍」の一〇銘柄でした。
【YESの感想や意見】
「銀の露」(亀岡酒造)。日本酒とは思えないような甘い味でカルピス酎ハイみたいでおいしかった(アクビ:女性・二〇代)
友人からのすすめで、以前から飲んでみたかった岩手県の「月の輪大吟醸」を、インターネット通販で購入しました。「これぞ大吟醸!」と感動するような深い味わい。口の中で広がる今までに感じたことのないまろやかさ。言い過ぎかもしれませんが、その味に「身震い」をした一本でした(じゃんじー:男性・二〇代)
「出羽桜さらさらうすにごり」。雑誌で紹介されたといって知人から頂いたのですが、すごく美味しかった。出羽燦々ならではの香り、のど越しの柔らかさ、ほのかなにごり具合もよく友人と二人で一升飲んでしまいました 冬になったらまた飲みたいです(じゃすみん:女性・三〇代)
「越乃景虎大吟醸」。主人の親戚が新潟県長岡市なので、遊びに行った際に栃尾市まで遠出をして蔵元で購入。思ったよりも辛口でしたが、口に含んだ感じはやわらかい。最初はお水のようにいけました。あまりにも飲みやすいのでつい進み飲みすぎてしまいました(ぶびんちゃん:女性・三〇代)
「すず音」。これまで、日本酒は飲まなかったのですが、彼に勧められて。シャンパンみたいでフルーティで飲みやすく、はまっています(うらっこ:女性・三〇代)
「上善如水」(白瀧酒造)。ぴりぴりした感じが無く、フルーティな味わいですっと入っていく心地よさに惚れ込みました(むつりんご:男性・三〇代)
「ぷちぷち」(末廣酒造)。非常に美味しかった。言葉にならない(タムタム:男性・三〇代)
「土佐鶴」。たまたま小瓶がCVSに置いてあったので手に取り、その日の晩に呑みました。まろやかで香りも良く日本酒らしい日本酒で、それから酒店で探して何度か呑みました(呑み助:男性・三〇代)
名前は忘れたが、カロリー低めでギャバの含まれた酒。あっさりした感じ。確か日本盛の商品(注:日本盛健醸)(はなはな:女性・四〇代)
「雪小町氷の酒〜美氷」(渡辺酒造本店)。シャーベット状に凍らせて半解凍したところをいただくお酒です。珍しさもあり、冷たさで暑さがふっとびとても心地よかったです(ぱぴ〇六一八:女性・四〇代)
「夢の中まで」(千徳酒造)。贈り物としていただきましたが、初体験のテイストだったので、じっくり味わいました(ユウ優:男性・四〇代)
町内の壮年会の席で、初めて黒龍酒造の石田屋を飲みました。噂に違わず口当たりがよく、香り軽く味深し。本当に美味しい酒でした。同じ県内でもふれることの無かった味に感激しました(かめ:男性・四〇代)
「北海熊ころり」(山二わたなべ)。 同僚に文句無く旨いと薦められて。喉越し爽やかでサラリとした味わいで飲むほどに旨さが滲みでる酒。北海道にもこんな旨い酒があったのだと驚きです(三太郎:男性・四〇代)
「極上黒松剣菱」をそのままストレートで。癖のない軽やかさを感じる日本酒でした。一升を四人で飲みましたが、全員が飲みやすいと太鼓判(とんとん四五:男性・五〇代)
「浪漫秘蔵酒一〇年」(月桂冠)。娘から父の日のプレゼントとしてもらった。まろやかさがあり、独特の香りが楽しめ美味しかった(おやじ:男性・五〇代)
大阪の京橋に気軽に飲める居酒屋が数年前にオープン。店主がお薦めの酒類を購入しては、なくなるまでイベント式販売。そこで和歌山の「黒牛」に出会いました。美味しかったですね。酒好きの人に勧めています(ちゅう:男性・六〇代以上)
「初孫」。さすが米の本場山形です。落ち着いた味、ほんのりした芳香、何となく幸せでした(ジュゲムちゃん:男性・六〇代以上)■

2007年07月実施