味わいを楽しむ人が増えたウイスキードリンカー

 シングルモルトを中心に一般メディアや店頭でウイスキーが目立つようになってきた。しかし総需要では昨年もまだ減少が止まっていない。先進的な部分で変化が現れているのであろうか。今回ウイスキーを飲むことが増えたと答えた方は28%で男性では30%、女性は24%であった。年齢別に見ると40代が21%ともっとも低く、もっとも高いのは50代の35%であった。飲酒頻度別には、週に3日以上とそれ以下ではっきりと差が出た。
【マスターTの感想】
 かつてウイスキーは万能の酒であった。1980年代半ばまでは、和食店でも満遍なく品揃えされていたほどだ。レッドで入門して経済状況に応じてホワイト・オールド・リザーブへと上級移行していくさまは、戦後日本の豊かさを体現する出世魚のような酒であった。しかし、このTPOを問わずにウイスキーを飲むという不思議な風習は、いまや跡形もなく消えた。平成の酒税改正で価格が下がってもウイスキーの減少はとまらず、ウイスキーはオジサンの酒という位置に落ちてしまった。
 ところが、2〜3年前から新しい動きがでてきた。シングルモルトウイスキーの台頭である。嗜好品として味わいの違いを楽しむという動きは、英国から日本にも波及してきた。このモルトブームを支えている人々は、ウイスキーの伝統ユーザーよりも、ワインマニアなど新しいユーザーだと評論家のデイブ・ブルーム氏はかつて指摘した。しかし回答者のコメントから想像すると、まだそこまではいっていないようだ。むしろウイスキーが本来の「価値」が再評価されはじめているという印象を持った。「味や香りを楽しむ」「癒し・くつろぎ」「食後のひととき」等の言葉はウイスキーが伝統的に保持している価値である。こういう価値が再評価されているということは、ウイスキー復権も近い予感がする。
【Yesの感想や意見】
知人の店で初めてウイスキーを飲んで、すごくおいしい大人の味と感じました。お店で飲むのは高いので、月に2本ほど自宅で飲んでいます(なおこ☆:女性・20代)
主人の影響でシングルモルトを飲むようになった。飲みやすさの中に深みを感じます。ひとつ好きなものができると、他も飲んでみたくなりました(ぽぽこ:女性・20代)
雑誌で「シングルモルト」の特集を読んでその奥深さを知り、3ヶ月ほど前からはまりはじめました。モルトの豊富なバーで教えてもらい、家でゆっくり飲むのが好きです(スマイル:男性・20代)
一人で家にいて、面白い映画を見ている時や音楽を聴いている時など、無性にウイスキーを飲みたくなる(しゅうちゃん:男性・20代)
女性雑誌でよく「シングルモルトウィスキー」の広告を見かけます。素敵な女性がおしゃれなバーで、シングルモルトのグラスを傾けるというのがとてもカッコイイと思いました。香り高くとても深い味わいですね。これからは女性もどんどん愉しむべきかなと思います(びび:女性・30代)
最近は国産でもよいものがいろいろと増えてきてかなり楽しめます。今は焼酎がよく飲まれていますが、ゆっくり落ち着いて飲むにはロックのウイスキーがよいと思います(ナル:男性・30代)
最近はハイボール(ウィルキンソンの炭酸で割る)にしてよく夕食の後に飲みます。焼酎より香りがよくて好きです(junko:女性・40代)
毎晩水割りを飲んでます。水割りも美味しいですけど一番美味しいのは冬のお湯割りです。あの香り、心が落ち着いて非常にリラックスできます(フク:男性・40代)
男同士の濃い話題。ムード溢れる感じのグラスを傾けるひとときは、ウイスキーが似合います(のぶりんりん:男性・40代)
ゆっくり飲みたいという気持ちが強くなり、それに比例するように、ウイスキーを飲むことが多くなった気がします(ナオ:男性・50代)
年と共に「酒」、特にウイスキーの深い味わいに気づきました。家族が寝静まった休日の前の夜に、一人でこっそりとベランダで星空を眺めて飲むのは格別旨い(ツモ:男性・50代)
退職し、自由な時間があり、ゆっくりとウイスキ−を嗜むようになった(ロビンフッド:男性・60代以上)■

2007年08月実施