どぶろく飲用経験者は3割に達した

 規制緩和でどぶろく(酒税法上は濁酒)特区が設けられて2年が経過した。この特区は、農家や民宿などが訪問者に提供するために特別にどぶろくの製造を許可するというもので、地元限定での消費が想定されている。したがって、あくまでその地を訪問しなければ飲めないものである。他に公にどぶろくが飲めるのは、いわゆる「どぶろく祭り」(主に神社が主催)くらいしかなく、大多数の酒飲みにとって、どぶろくとは名前は知っていても未知の酒であろうと想像した。
 ところが今回の調査結果では、回答者の約3割が飲んだことがあるというので驚いた。年代別では、60代以上が55%ともっとも高く、30〜50代は28%〜30%、20代は15%と低くなっている。性別では、男性が33%、女性が22%とここも差が大きい。飲用頻度別では、ほぼ毎日飲む層が38%で頻度が落ちると下がる傾向にある。
【マスターTの感想】
 どぶろくの飲用経験者は、予想以上に多かった。それもそのはずで現在ではどぶろく特区は24道府県で63カ所にまで広がっている。ここまで拡大されているのであれば、もはや特区というよりも、申請すればどこでも造れる酒という感じに近いだろう。飲んだ方の感想を見るとおおむね好評であるが、「酸っぱい」「おいしくはない」という意見も散見された。以前どぶろく祭を取材したときにも、味については清酒メーカーの指導を受けるようになるまでは酸っぱかったという意見が多かった。特区という目新しさがなくなってくると、おいしさも追求されるようになってくる。火入れ殺菌をしないため刻々と味が変化するどぶろくの特性を踏まえた上で、さらなる技術の向上も求められてくるだろう。
【Yesの感想や意見】
どぶろく特区・雫石のものを飲んだ。米の甘さ、ほのかな酸味、濃厚で芳醇な飲み口。清酒とは全く違うものだ。すぐにとりこになった(月うさぎ:女性・30代)
まったりして甘くおいしかった。でも料理には合わせ難いと思った(おくちゃん:女性・30代)
知人から、千葉県の「法典正宗」というどぶろくを頂きました。初めて飲むどぶろくでしたが、想像よりもあっさりしていて、程よい酸味と甘みが口の中に広がる、不思議な感じがしました(みっきん:男性・30代)
かなり独特の酸味が強く飲みにくかった(チェレンコフ:男性・30代)
最初は口に粕が残り抵抗がありましたが、今ではクセになっています。ただ、だんだん発酵が進み味が変わったり、ガスで栓が飛んだりと普通の酒に比べて扱いが面倒です。それでもうまいので飲んでいます(橘:男性・40代)
初めて飲んだ時、あのすえたような臭いに閉口しましたが、飲んでみると「コク」がありとてもうまかった。「こんなうまい物この世にあったんだ」とまで思いましたが、それ以降うまかった「どぶろく」にはめぐりあえません(O.S郡山:男性・50代)
もっと濃厚かと思ったが意外とあっさりしていた。酸味も思ったほどではなかった。どぶろくは文化だと思う。現在は一部の地域・蔵元にしか醸造免許が与えられていないが、販売を目的としないならば、個人のどぶろく造りは認めて欲しい(夢屋だよ〜ん:男性・50代)
残念ながらちょっと酸味が強かった。雑菌処理等が蔵元でのように徹底できないだろうから、旨いどぶろくを口にする確率は低いと思う(やーさん:男性・50代)
友人のところで飲んだ。山形の農家からもらったそうで、これほど旨い酒は今まで飲んだことはなかった。どちらかと言えば、酒母の味に近く忘れがたい(日本酒狂:男性・60代以上)
【Noの感想や意見】
よく聞くので一度でいいから飲んでみたいですね。なんだかアルコールが強そうな気はしますが(ちっちゃいブーブ:女性・20代)
韓国どぶろくマッコリならあります。でも飲み屋に日本製のどぶろくなんて無いじゃないですか(min:女性・20代)
飲んだ事がないので、一度は飲んでみたいお酒ですね。「構造改革特区」だけなんていわないで、全面解禁されないでしょうか(呑兵衛:男性・30代)■

2007年09月実施