ビール銘柄の固定ユーザーは34%

 「私にはビールです」サッポロビールの新製品「麦とホップ」(リキュール規格)のメッセージである。増税論議を呼び起こす可能性があるので、今までビールメーカーは発泡酒や新ジャンルは、ビールとは別物というスタンスを崩さなかった。今春は、18年ぶりにビール類の値上げがおこなわれたが、その手法・時期も各社ばらばらである。いろんな意味で酒業界が規制に守られた護送船団方式から自由競争に移っていく象徴的なできごとであった。
 今回の値上げで、家庭用市場でのビール類の各規格の内訳はどうなるのか。「今年になって自宅で主に飲むビール類の銘柄が変わりましたか」という質問に対して、YESは37%、NOは34%、元々決まっていないが29%という結果であった。つまり昨年以前からの固定ファンは全体の1/3に過ぎないのである。これを属性別に見ると、50代、60代以上ではNOが44〜45%と半数近くが固定しているが、30代以下では30%を切ってくる。また性別では男性のほうが10ポイント程度固定率が高い。飲酒頻度別にみると、飲酒日数が週に2日以下では元々決まっていないが多数派であるが、NOの比率は飲酒頻度による違いはない。
【マスターTの感想】
お寄せいただいたコメントからは、世評通りに主に家計面の影響でビール→発泡酒→新ジャンルという動きが顕著であった。ビールが飲みたかった(飲んでいた)が、今回いろいろな値上げの中で思い切って新しいものへと変えてみたらこれが予想以上においしかった、という声も目立つ。今回の諸物価高騰という流れが、今まで非ビール規格を敬遠していた消費者の一部まで、かじを切らせてしまったようだ。昨年は、ビールから発泡酒・新ジャンルへの移行が一段落したという見方ができたが、今年はもう一段新ジャンル等の比率が高くなりそうである。プレミアムビールから新ジャンルまでを、TPOで飲み分けるという時代の本格到来を予感する今回の結果であった。
【Yesの感想や意見】
ZEROに変わりました。女性には大人気ですよ。アルコールが3%ということでためらいなく気軽に飲めるようになりました。友人の間でも人気です(mayu女性・20代)
ビールが発泡酒→新ジャンルへ。家計が苦しいからです。ビールは飲みたいが、少しでも節約しなければならないということ。泣く泣く新ジャンルに移行しましたが、最近は種類も豊富で中味もおいしいものが増えている。使い分けしています(kumapooh:男性・20代)
今までは発泡酒中心で時々ビールを飲むことが多かったのですが、値上がりも影響して発泡酒よりさらに安い「第3のビール」を飲むようになりました。飲んでみると意外とおいしい。ビールメーカーの開発努力が感じられます(びび:女性・30代)
サッポロ一筋で黒ラベルから生搾りに変わり、最近は雫になりました。変更理由はズバリ価格! 雫が発売され飲み比べて、苦味・味の深みで雫のほうが合っている(こーたろー:男性・30代)
自宅のビールも二極化が進んでいます。第3のビールもそれなりにおいしいものが増えた。冷静に考えて高いビールを飲みたい時はそう多くはない。どうしても飲みたい時はプレミアムモルツやキリンチルドビールなどを買います(naru:男性・40代)
家族が糖尿病になったため、ビールから糖質ゼロの発泡酒に変えた。結構おいしいし安い。自分の健康にも良いと思えるので、これからは発泡酒にする(Nico:女性・40代)
サントリーがまだ値上げしてないので、モルツに変えた(kohmori7:男性・50代)
家族(妻、娘)が糖質を気にして銘柄を変えたのでそれに合わさせられた(nachng:男性・60代以上)
【Noの感想や意見】
値上がりして辛いけれど大好きなビールのランクを落とすことはできない(こうすけママ:女性・20代)
毎日飲んでるわけではないから、少し贅沢して発泡酒。色んなカロリーオフを試したけど、もう失敗したくないから変えません(ゆずあめ:男性・20代)
主人は発泡酒派。第3のビールは味が悪すぎるといっています。価格も選ぶ基準だけど最終的には味の好み(えびちゃん:女性・30代)
糖質0や発泡酒も飲んでみましたが、なんだかもの足りないので、元のビールに戻した(かずび:男性・40代)■

2008年06月実施