YES・NOくっきり分かれる

 典型的な家飲みの姿を思い描いた。どっかと座りまずはビールだ。缶をプシュッと開けてグラスに注ぐ。まあ二〜三回注げばビールは空になる。つぎはどうする。私の場合にはほとんど日本酒か焼酎になる。それもほとんどは最初からテーブルに運んである。だからビールを飲み干した小さめのグラスでそのまま次の酒に進むことが多い。
 もちろん酒の種類毎に酒器を替えたほうがいいのはわかっている。でも一人で飲むのにそんな面倒なことはしない。妻の仕事を増やさぬように協力するのも大切なことだと自分で言い訳しながら、そんな犬喰いのような飲酒ライフをしている。
 ところで、世間全体ではどんなものかと気になり今回のテーマとなった。「自宅の晩酌で酒を替えるときにグラスも替えますか」という質問に対して、YES(原則的に酒毎に替える)とNO(ほとんど同じグラスで通す)は五〇%ずつと半々に分かれた。YESが多かったのは、飲酒頻度が週に五日以上(五五%)、女性(五四%)、五〇代(五三%)、三〇代(五二%)であった。性別、年齢別などで顕著な特徴は出てこない。
【マスターTの感想】
 飲食店では、同じ日本酒ですら酒を変えれば器も変えるのが当たり前になってきた。確かに目でみても楽しめるし、実際に香りなどを楽しむ酒の場合には、グラスの形状が大きく影響することもわかる。しかし、私は家でくつろぐときには、そんなことよりも飲みだしたら、もう立ち上がりたくないという肉体の要求が優っていた。
 YESの方のご意見を集約すれば、一日の終わりにゆったりと酒を飲むときは、なるべくおいしく飲みたい。そのためには、雰囲気づくりも大切だし、酒の味がまざらないようにしたいなどの理由から酒毎に器を替える手間は厭わないということだ。趣味・嗜好のためならば手間もまた楽しというところか。
【YESの感想や意見】
日本酒には最近購入した薄いグラスを使っています。容器が変わるとやはりおいしく飲めます。割られるといやだから、自分で洗っています(やんてっち:男性・二〇代)
主人とお酒を飲む時は、二人の時間を大切にしたいので、ムードづくりのためにグラスを替えます(マーブル:女性・二〇代)
お酒は嗜好品。食事や仕事じゃないから、途中でグラスを替えるのも面倒とは感じません。お酒の種類・おつまみ・グラスやコップ、ぐい飲みを選ぶのも「お酒を飲む」ことの一部だと思っています(煮え鴨:女性・二〇代)
自分は酒好きで出来る限り美味しく飲みたいので、酒毎にグラスを替えるようにしています。感覚的なことですが、グラスに注がれた酒の見た目によっても味の感じ方が若干違ってくるような気がします。だからグラスを洗うのが面倒とか、取りにいくのが面倒と思うことはありません(ヒデ:男性・三〇代)
最近、心掛けている事は、せっかくのお酒だから美味しく飲もう! ということです。楽しい日はグラスを変えてより楽しく。そうでもないときも、グラスを変えるだけで気分も変わります。以前、缶ビールをそのまま飲んでいましたが、酔うために飲むといった感じでした(アニマル:男性・三〇代)
焼酎は割るので大きめなグラスで、日本酒はちょびちょびと飲みたいのでお猪口で、ビールは冷やしたグラスで飲みたいのでまた別の小さめなグラスで。洗い物なんぞなんのその、おいしく飲むためにがんばる(ごろにゃん:女性・三〇代)
基本的に食事に合わせてお酒もグラスも変えます。同じ日本酒でも気分によって「グラス」「徳利とお猪口」、時には「枡」で飲んだりします。多少面倒くさいけれどそれ以上の効果はあります(runner:男性・四〇代)
日本酒や焼酎は基本的に同じグラスでOK。ウイスキーやワインはお洒落に飲みたいのでグラスを変える。ウイスキーはちょっと大ぶりのグラスで、氷の音も楽しむ。ワインは小さめグラスで(ワイングラスはあとが面倒なので使わない)。ちなみに主人はどんなお酒でも同じグラスで飲んでいます(すう:女性・四〇代)
「酔うだけが酒じゃない」というのが本音です。ウイスキーはどっしりとしたタンブラーで、日本酒は手捻りのぐい呑みで味わいます。テーブル越しにいるのが、綺麗なママじゃなく、メタボな妻であっても(バンバン爺:男性・五〇代)
えっ! ビールを飲んだグラスで、日本酒を飲むの? 赤ワインを飲んだグラスで白ワインを飲むと、ロゼになちゃいますよ(E・ポーツネル:男性・五〇代)
器は必ずお酒によって、変えます。絶対においしさが違うからです。ビールは備前焼、ワイン・ウイスキーはバカラ、焼酎は自作の器で飲むのが私の好みです(たかべえ:男性・六〇代以上)
【NOの感想や意見】
一日の洗い物を全部終わらせてゆっくり晩酌をしたいので、それ以降はなるべく洗い物は出したくないです(まゆ:女性・二〇代)
日本酒とワインしか飲まないので、こぶりのグラスひとつで間に合う。面倒なことはしない(とど:男性・四〇代)
主人の晩酌は毎日、気分で変わります。ただ、ウイスキーであれ、焼酎であれ、グラスは本人が購入してきたお気に入りの物に決まっています。途中で酒が変わってもグラスは替わりません(おかむーママ:女性・五〇代)           ■

2009年01月実施