車内飲酒経験者は12%

 新聞社から「電車内でお酒を飲む人のことについてどう考えたらよいか」と取材を受けたことがある。そのときに驚いたのが、最近は京浜東北線などロングシートの電車でも平気で食事や飲酒をする人がいるということであった。その記者も実際に何回か目撃したというのだから間違いないのだろう。さすがに地下鉄ではまだ目撃情報はなかったようである。
 せっかくなので弊社でも実態を調べてみようと思い今回のテーマ設計となった。結果は、実際に自分が飲んだことがあるという方は12%であった。年代別にみると、30代と60代以上が多くなり、飲酒頻度別に比べると、やはりほとんど毎日のところに集中していた。
【マスターTの感想】
 理由や感想を読むと常習的な人は多くなく、周りに気を使いながら飲んでいるようだが、1割以上という結果には驚いた。結論的には、ボックスシートなら構わないが、ロングシートではだめが前提にあり、「車内が空いている」「周りに人がいない」など条件付きでトライしている人が多いようだ。では車内での飲酒はこれ以上広がらないかというと私はそうは思わない。行儀のよい行為とはいえないが、いつのまにかペットボトルの飲料ならロングシートで飲んでいる人を見てもあまり違和感を持たなくなっているからだ。空いている車内でならば、ロングシートで飲酒する人を見ても驚かない時代は、もうそこまできているように思う。
【Yesの理由】
ガラガラの総武線で時々飲みます。いつもの電車で、ぼんやり飲むのは非日常的でちょっと罪悪感がありますが、気持ちがいいです(まきぬ:女性・30代)
夏の出張帰りの早い夕方のことでした。先輩がビールをそれぞれに買ってくれました。ガラガラの車内で乗車したらすぐにプシュ。うれしすぎてその先輩がきらきら輝いて見えました。自分もさりげなく後輩にしてあげたい(てれれ:女性・30代)
残業で遅くなった帰りの電車で350ml缶を飲んだことは何回かあります。さすがにちょっと気が引けたのでハンカチで缶を巻いてます。飲む条件はラッシュと逆向きの方向でシートもだいぶ空きがあるときですね(まるみ:男性・30代)
車窓から眺める景色を見ながら、ロングシートで飲むお酒もまた格別です(らきあくん:男性・30代)
後ろめたさもあり、隅の席で控えめに飲みましたが、周囲の目が気になり、途中でかばんにしまいました。その1回だけでこりごり(JOU7:男性・40代)
上野から東北線の中距離電車で通勤していた頃は、夜遅い時間になるとロングシートで缶ビールなどお酒を飲んだことはありました。やはり、路線によると思います(東崎新三:男性・40代)
重い仕事を終えた後は家まで我慢できずに帰宅中の電車内で飲んでしまいます。こぼれる危険性や匂いなどで迷惑をかけますので、隅の席で小さくなって飲みます。フタがある場合は一口飲む毎に閉めます。それでも申し訳ないとは思っています。完全なマナー違反です(赤不動:男性・40代)
終電でワンカップを。寒い冬には最高でしたが乗り過ごしてTaxi代高かった(nozaki2:男性・50代)
仕事帰りに赤提灯で飲み、電車に乗る前に売店で缶ビールを買い、酔った勢いでロングシートで飲んでしまった。それを見ていた知人に、君たちとは一緒に電車には乗らないと言われとても恥ずかしかった(taketyanマン:男性・60代以上)
【Noの理由】
昔は夕方5時を回ると上野発東北線、高崎線のボックスシートでは、一日働いて帰路に就くそのひと時でワンカップを楽しむおじさんがあちこちにいた。その当時一番安い飲み方だったのだろう。しかしその頃でもロングシートで飲酒する人は皆無であった。ロングシートでは飲食をしないことが構造上からして当時の常識だった。ボックス席でも市街地を走っているときに昼間から飲む人はいなかった。時と場所をわきまえた人が大勢いたのかもしれない。その代わり泥酔者はたくさんいた。公共心があったというより、大勢順応で皆と同じことをするよう心がけていた時代であった。現代は気ままに自分の思う通り行動できてうらやましいが、喫煙と同様に不快感を持つ人がいることを考えれば、混雑する状況では飲食を控えてもらいたい。酒飲みとして、お互いに気持のよい習慣をつくることが大切と思う(三日禁酒坊主:男性・60代以上)■

2010年02月実施