回答者の70%はこだわって酒器を選ぶ

 なんでも好きになるとこだわるものだが、日本酒の場合にはいろんな方向にこだわりが波及しやすい。器、肴、温度などこだわりどころが満載である。酒器については飲み方による違いもあるので、燗酒の場合はこうと冷やした場合はこうと、好みの器を分けて考えている人の数も目立った。色に対するこうだわりも多かった。夏場はブルー系統、全般には白色を好みにあげている人が多い。
 回答状況は「自宅で日本酒を飲むときに器にこだわりますか」という質問に対してYESが70%に達した。属性別にみるとこだわる人が多いのは、性別では女性が高く79%。飲酒頻度別では、週に5日以上飲んでいる人が75%と高くなり、飲酒頻度が下がるほどこだわり比率も低くなっている。ところが年代別ではなぜか20代と60代以上が75%と、もっとも高くなっていた。
【マスターTの感想】
 日本酒に限らず、おいしく飲もうと思えば面倒でも器にも気を配ったほうがいい。好みの問題ではなく生理学的な見地から、器の形と日本酒の味わいの感じ方には関連性が高い。盃のように開いたタイプだと口の中全体にお酒が広がるので、甘酸辛苦すべてを感じるが、先がすぼまっていると舌の先端部を中心に味わうことになるので甘みを強く感じるようになる。また、ほとんど言及する方はいなかったが、香りと酒器の関係も大切。香りを楽しむためにはチューリップ型の器がよい。ためしに清酒をクリスタルのワイングラスで飲んでみるといい。盃で飲むより香りをはっきり感じることができるはずだ。
 だが、そんな理屈よりも見た目や気分が大切か。涼しげな切子のグラスを冷酒用のお気に入りにあげている人がとても多い。燗酒用は焼き物。凛とした白い磁器、素朴な土物。風流な酒になる。
【Yesの感想や意見】
クリスタルガラスの器が好き。器の細かく刻まれてる角度がポイントです(だいぴん:男性・20代)
陶器で線がごついゴロリとした重厚感ある物がお気に入りです。冷酒ならロックグラスに氷をたっぷり入れて飲みます。凍らせておくと尚よし! とろりといただけます(Noro:女性・20代)
熱燗のさいは陶器の白地の物と決めています。やはり日本酒の透明感を楽しみたいので(しゅん君父さん:男性・30代)
窯でつくった器に味があります。表面がつるっとしたものより、土の感触を残したザラっとしたもののほうが飲んでいて味も美味しく感じるし、見た目も「美味しそう」って感じます(太郎と花子:女性・30代)
日本酒を飲むときは、その日の気分にあわせていろいろなぐい飲みの中から選んでいます。今は、備前焼のぐい飲みがお気に入りです。夏の冷酒になると、小樽で購入したきれいな冷酒グラスを使っています(のんちゃん:女性・40代)
お気に入りは脚付の陶器製ぐいのみです。上薬はかかっているけどざらつきのある肌触り。仙台出張で購入してからずっと使っています。脚付って良いですよ(paty guy:男性・50代)
湯飲み茶碗で飲む冷や酒が一番good。ガラスのコップや変に凝った器よりも日本酒の色がよくわかる(ハッシー00:男性・50代)
冷酒党のわたしは、お猪口はこだわります。夏場はブルーの「江戸切子」のお猪口。冬場はちょっとゴツイ感じの陶器。春・秋は優しい磁器(フーちゃんママ:女性・50代)
非常にこだわっています。各地の陶磁器や旅行の土産(もっぱらお猪口)の焼き物で楽しんでいます(ケーチャン:男性・60代以上)
冷酒で飲む時は透明のグラス、お燗で飲む時は白色の陶器です。どちらも薄手でできていて、飲み口が水仙型。飲んだ時の感触が違うので薄手にこだわります(豆大福:女性・60代以上)
【Noの感想や意見】
基本的にこだわりませんが、シンプルな器が良い。こったものは飲みづらい(のおもあ:男性・20代)
お気に入りというものはないけど、ガラス、磁器、陶器、木、竹、などを日本酒の種類やその日の天気や気分に応じて使い分けるのが好きです(NOVA:男性・40代)
ビールも焼酎も日本酒も全部備前焼のグラスで飲んでいます。日本酒は色がよくわかる白磁のようなものがいいのでしょうが、こだわりません(おにおん:女性・40代) ■

2010年06月実施