お正月とお酒は切り離せない。とくに日本では元旦にお屠蘇を飲む（年酒）という習慣が残っているが、どれほど飲んでいるのか、また正月の酒はどのように飲んでいるのか聞いてみた。
「元旦にお屠蘇を飲む習慣はありますか？」の質問に対して「YES（お屠蘇をつくって飲みます）」が18％、「YES（日本酒で代替しています）」が53％で、「NO（ふだんと飲み様は変わりません）」が29％になっている。お屠蘇といいながら5割強は日本酒で代替しており、屠蘇散を使ったものは2割弱でしかない。しかしながら日本酒を含めた広い意味でのお屠蘇が7割の家庭で飲まれており、お正月とお屠蘇の関係は根強い。またその傾向は年代が高いほど強く残っている（図表1）。
「正月三が日に必ず飲む酒類を教えてください」に「日本酒」がトップで8割強。「ビール」は7割。「焼酎」も意外に多く25％で、「赤ワイン」は15％と続く（図表2）。年代別には「焼酎」が50代および20代に、「赤ワイン」が女性や30代に人気が高い。
次に「お正月用に飲むために準備する酒類があれば教えてください」と聞いた。「特別に買うことはない（あるもので済ます）」が11％いるが、回答者の9割がお正月用に何かお酒を用意している。
これは世間一般と比較するとかなり高いかもしれない。当然「日本酒」が75％でトップ。次は「ビール（ふだんと同じもの）」32％で、「プレミアムビール」24％、「ワイン」21％、「焼酎」20％が続く（図表3）。「プレミアムビール」は男性より女性、年代別では30代に多く見られる。
正月に日本酒を飲む習慣健在
お正月の過ごし方（飲み方）を自由記述してもらい、それらをおおまかに分類してみると、「家族揃って飲食」、「飲み続ける」、「朝から飲む」、「いつもより高価な酒を飲む」、「正月は日本酒が主」などが上位5位にあげられる（図表4）。
「家族揃って飲食」の具体的な意見では、「元日の朝は家族揃ってお屠蘇を頂いてから、お雑煮です。その後おせち料理と、日本酒をお燗で頂きます。日本酒は元日に飲み過ぎるので翌日からはビール、焼酎、バーボンなど。ただ、お正月を含む冬場はどうしてもお燗酒を飲む機会が増えますね」（男性40代）、「元日朝から何かつまみながら日本酒を飲みます。大みそかはチューハイを飲みます。2日は祖母の家に行ってカニ鍋でビールを飲みます」（女性20代）、「家族全員で朝と夜の2回必ず飲みます。私の家ではおせちはせず、しゃぶしゃぶと焼肉を食べるのですが、その際はビール、焼酎、日本酒いろいろです」（男性30代）、「大晦日に実家に行き両親、弟家族と一緒に年を越します。その前に必ず酒屋さんに行き、いいお酒を買い込みます。元日は両親とビールを飲みながらおせちを食べ、2日は両親と温泉に行き、夜は日本酒とビールで鍋を食べます。3日は我が家で主人と、オードブルとプレミアムビールです」（女性40代）、など。家族、親族で一日中飲んでいる姿がうかがえる。
「飲み続ける」では、「朝風呂のあと、まずはビール。そのあとおせちを食べながらぐだぐだ飲んでます。いつの間にか寝て、起きたらまた飲み始めます」（男性30代）、「31日の晩からおせちと雑煮とお刺身で3日まで食いつなぎます。その間の酒は、日本酒の地酒を何種類か用意して、それを飲みながら合いの手にワインやビールなど」（女性50代）と、お正月ならではの飲み浸りである。
「朝から飲む」では、「そんなに強くないのですがお正月は朝から飲みます！ 日本酒、甘口が一番好きです」（女性20代）、「元日だけは、朝風呂の後、皆で朝から飲む」（女性30代）、「普段は朝は飲まないですが、正月だけは朝から飲みます」（男性40代）など、お正月は後ろめたさもなく朝から飲んでいる。
「いつもより高価な酒を飲む」では、「我が家では、正月には毎年金粉入りの特級酒を必ず飲みます。おちょこに金粉が入った入らないと、スッタモンダして酔っ払いしてます」（男性60代以上）、「いつもより値段が高い日本酒を購入し、おせちなどと楽しみます。てっちり、てっさを食べることが恒例になっているので、ひれ酒用の燗に向いた日本酒が必須です」（男性50代）、「普段より贅沢なプレミアムビールや地酒、シャンパン、ワインなどをゆっくり楽しみます」（女性40代）、「正月は普段は我慢している、ちょっと高いお酒を好きなだけ飲みます」（男性30代）、「元日はめでたい銘柄のお酒を選ぶようにしてます。普段は発泡酒等ビール味のものですが、正月には本物のビールを飲みます」（男性60代以上）で、ハレの日ならではの酒を飲んでいる。
「正月は日本酒が主」では、「お正月といえば、樽酒です。毎年百貨店でこの時季だけ販売される樽酒とにごり酒を購入して、お正月を迎えます。また、初詣に行った際にお神酒を頂き、その神社で売られている日本酒も購入して、自宅でおせち料理とともに頂きます」（女性40代）、「大晦日とお正月は、日本酒を熱燗にしてお猪口で頂きます。やはり日本のお正月の風習は続けて行きたいです」（男性60代以上）、などである。 ■
